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自閉症中間表現型としての樹状突起スパイン動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K06399
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49010:病態医化学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

玉田 紘太  神戸大学, 医学研究科, 助教 (10550957)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード自閉症 / モデルマウス / 樹状突起スパイン / 15q11-q13 / Necdin / 染色体異常
研究開始時の研究の概要

ヒト染色体15q11-13の重複は自閉症において高頻度に認められる染色体異常である。研究代表者らはこの異常をマウスにて再現し、近年、重複領域中に存在するNecdin(Ndn)遺伝子が自閉症様の行動学的異常のみならず、樹状突起スパインの正常な形成に重要であることを見出した。しかし、Ndnの自閉症に対するメカニズム、および樹状突起スパインと自閉症との関係性は不明なままである。
本研究ではNdn遺伝子の樹状突起スパイン形成への分子メカニズムを明らかにすること、自閉症ヒトES細胞におけるスパイン異常を検出することを目的とし、15q11-q13に限らない自閉症の普遍的な病態を検証する。

研究実績の概要

本研究では研究代表者らの発見した、自閉症で頻繁に認められる染色体15q11-q13領域の重複の原因遺伝子の1つ、Ndn遺伝子の樹状突起スパイン形成に対する分子メカニズムを明らかにすることで、自閉症の生物学的病態を明らかにするとともに、樹状突起スパインの異常が自閉症に普遍的な異常であるかを明らかとすることを目的とする。
本年度は脳組織から精製度の高い神経細胞核を抽出するための条件検討を行った。FANS法(Amamoto et al., Nucleic Acid Res, 2000)とIodixanol法を比較し、夾雑物の混入レベルや、核の形態的完全性について評価した。また、NDNの樹状突起形成における役割を調べるために、樹状突起スパインの計測システムを立ち上げた。子宮内電気穿孔法及び、Supernova法によりマウス大脳皮質神経細胞に疎になるように過剰発現させ、NDNの核内局在型と細胞質局在型のプラスミドを調製し、これを子宮内電気穿孔法によりマウス大脳皮質神経細胞に導入し、その効果を調べた。核内局在型NDNは野生型NDNと同じレベルの樹状突起スパイン密度の上昇が認められた一方で、細胞質局在型のNDNを導入した神経細胞ではさらなる樹状突起スパインの増加が認められた。本結果はNDNの細胞質での役割が樹状突起スパイン形成に対して重要であることを意味し、NDNが樹状突起スパインの形成タンパク質と直接的に結合している可能性を示唆するデータである。本結果により自閉スペクトラム症のモデルマウスで認められる樹状突起スパイン形成異常の分子メカニズムの一端が明らかにされた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ndn下流遺伝子の探索について、最適な核抽出法の検討を完了した。Ndnの樹状突起スパイン形成メカニズムを調べる系を確立した。細胞質/核内Ndn遺伝子のどちらが樹状突起スパイン形成に重要かを調べ、細胞質Ndnが重要であることを明らかとした。

今後の研究の推進方策

上記で確立した系によりNdn下流遺伝子の網羅的探索を行う。また、細胞質でのNdnが重要であることが明らかとなったため、神経細胞における結合タンパク質のスクリーニングを行い、さらなる分子メカニズムを調べる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Remodeling of the postsynaptic proteome in male mice and marmosets during synapse development2024

    • 著者名/発表者名
      Kaizuka Takeshi、Suzuki Takehiro、Kishi Noriyuki、Tamada Kota、Kilimann Manfred W.、Ueyama Takehiko、Watanabe Masahiko、Shimogori Tomomi、Okano Hideyuki、Dohmae Naoshi、Takumi Toru
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 15 号: 1 ページ: 2496-2496

    • DOI

      10.1038/s41467-024-46529-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Large-scale animal model study uncovers altered brain pH and lactate levels as a transdiagnostic endophenotype of neuropsychiatric disorders involving cognitive impairment2024

    • 著者名/発表者名
      Hideo Hagihara、Takao Keizo、他129名
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 12 ページ: 89376-89376

    • DOI

      10.7554/elife.89376

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The East Asian?Specific Risk Genes in Autism Spectrum Disorder2023

    • 著者名/発表者名
      Tamada Kota、Takumi Toru
    • 雑誌名

      Biological Psychiatry

      巻: 94 号: 10 ページ: 762-764

    • DOI

      10.1016/j.biopsych.2023.09.002

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] An old model with new insights: endogenous retroviruses drive the evolvement toward ASD susceptibility and hijack transcription machinery during development2023

    • 著者名/発表者名
      Lin Chia-Wen、Ellegood Jacob、Tamada Kota、Miura Ikuo、Konda Mikiko、Takeshita Kozue、Atarashi Koji、Lerch Jason P.、Wakana Shigeharu、McHugh Thomas J.、Takumi Toru
    • 雑誌名

      Molecular Psychiatry

      巻: in press 号: 5 ページ: 1932-1945

    • DOI

      10.1038/s41380-023-01999-z

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 自閉症責任領域、染色体15q11-q13における原因遺伝子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      玉田 紘太, 内匠 透
    • 学会等名
      第46回 日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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