研究課題/領域番号 |
23K06411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
佐藤 克哉 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60733508)
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研究分担者 |
長岡 仁 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20270647)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | RhoGEF / Bリンパ球 / SLE / B細胞 / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、核抗原に対する免疫寛容の破綻により自己抗体を産生することを特徴とする病気である。近年、自己抗体産生B細胞でSWEFタンパク質が欠損していることが報告されたが、自己抗体産生との関係性は明らかではない。SWEFタンパク質は、細胞質における細胞骨格制御因子としての機能と、核内における転写調節因子複合体形成という2つの異なる機能を有する。本研究では、SWEFタンパク質の核-細胞質間の時間的空間的な局在の制御による転写調節プログラムの変化が、抗体産生に与える影響を検討する。これにより免疫記憶形成のメカニズムとその破綻による自己免疫疾患発症のメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫寛容の破綻により自己抗体を産生することを特徴する疾患である。近年、SWEFタンパク質が機能を失うことが、これらの病態に関与していることが報告されたが、自己抗体産生との詳細な関係性は明らかにされていない。本研究は、抗体産生や免疫記憶形成におけるSWEFタンパク質の役割、および、その破綻による自己免疫疾患発症のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 抗体のファインチューニングには、IRF4やBATF、Junなどによって形成される転写因子複合体が関与することが知られている。そこで、これらの転写調節因子および、各種SWEFタンパク質を細胞に発現させ、IRF4を介した転写活性にSWEFタンパク質が与える影響について検討をおこなった。一方、SWEFタンパク質は、細胞質においてアクチン細胞骨格の制御因子としてはたらくことが報告されていることから、SWEFタンパク質の細胞質における機能に対するIRF4の影響を検討した。 その結果、IRF4が標的とする既知のDNA結合配列へのSWEFタンパク質の影響は低いと考えられた。一方で、SWEFタンパク質のアクチン細胞骨格制御因子としての機能はIRF4によって著しく抑制される可能性が示唆された。これらのことから、IRF4とSWEFタンパク質との相互作用が、SWEFタンパク質の機能の抑制に関与していると考え、両タンパク質の細胞内における相互作用の確認、それぞれのタンパク質の細胞内における局在を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SWEFタンパク質が、IRF4の既知の標的配列を介した遺伝子の転写活性に影響を及ぼさなかった。このことから、SWEFタンパク質が、IRF4とともにどの標的配列を認識するのか、それによって変化する遺伝子にはどのようなものがあるのか調査する必要があると考えている。現在、Bリンパ球モデル細胞を用いてSWEFタンパク質欠損細胞株を樹立するとともに、SWEFタンパク質の有無におけるIRF4の遺伝子発現への影響を調査している。この遺伝子欠損細胞株の作成に時間を要しており、研究立案当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記に示したように、引き続き、SWEFタンパク質欠損細胞株の樹立を目指す。また、各種SWEFタンパク質の機能ドメインを改変した変異体を作成し、IRF4とSWEFタンパク質の相互作用および、細胞内における各種タンパク質の局在に与える影響を調査する。これによりSWEFタンパク質のどのような機能が自己免疫疾患と関連しているのかを明らかにしていきたい。
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