研究課題/領域番号 |
23K06415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
一村 義信 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80400993)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 選択的オートファジー / p62 / KEAP1-NRF2 / 液-液相分離 / ULK1 / リン酸化 / 脱リン酸化 / ホスファターゼ / キナーゼ / Keap1-Nrf2 system |
研究開始時の研究の概要 |
p62液滴は、細胞のプロテオスタシスに不可欠な選択的オートファジーによるユビキチン化基質の分解(p62介在性選択的オートファジー)、そして細胞の主要なストレス応答機構であるNRF2の活性化(p62-KEAP1-NRF2経路)において、重要な役割を果たす。p62液滴の形成、およびその機能を発揮するためには、p62の3つのセリン残基(Ser349, Ser403, Ser407)のリン酸化が必要となる。本研究では、(1) p62のリン酸化に関与する責任キナーゼの同定、(2) p62の脱リン酸化に関与する責任ホスファターゼの同定、(3) p62リン酸化の生理的意義をマウス個体で明らかにする。
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研究実績の概要 |
p62は選択的オートファジーにおける受容体タンパク質として重要な役割を果たすとともに、ユビキチン化タンパク質と相互作用することにより、液-液相分離を介してp62bodyと呼ばれる液滴を形成する。p62bodyは、選択的オートファジーにより分解されることで細胞内のプロテオスタシスに寄与し、KEAP1を隔離することでKEAP1-NRF2を介したストレス応答を制御している。これまでの研究で、p62のKIR(KEAP1-interacting region)の349番目のセリン残基がリン酸化されると、p62とKEAP1の相互作用が促進され、KEAP1がp62bodyに隔離されることで、NRF2が活性化されることが示されている。一方、p62リン酸化の制御機構や生理的意義は不明なままであり、本研究課題ではそれらの解明を目的としている。今年度は、ULK1がp62の349番目のセリン残基をリン酸化し、NRF2の活性化を仲介するキナーゼであること。細胞内でULK1はp62bodyに局在し、p62をリン酸化すること。ULK1がp62のリン酸化を促進する結果、KEAP1がp62body内に保持され、NRF2が活性化されること。さらに、p62の擬似リン酸化体 (p62S351E)を発現するマウスは、p62の持続的リン酸化に伴うNRF2の過剰活性化により、食道や前胃に過角化を生じ、摂食障害と脱水による成長遅延を示すことを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ULK1がp62顆粒に含まれるp62のSer349を標的とする責任キナーゼであることを報告した。プロテインホスファターゼ2 がp62の脱リン酸化に関与することを明らかにしており、分子レベルでの解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
ホスファターゼを介したp62の脱リン酸化の制御機構について、ホスファターゼの調節サブユニットの細胞内局在解析、および調節サブユニットのノックアウト株を作成し検証を進める予定である。
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