研究課題/領域番号 |
23K06441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
門田 球一 香川大学, 医学部, 教授 (70448356)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肺癌 / 進展 / 病理 |
研究開始時の研究の概要 |
STASは予後不良因子となるが、STAS発生の生物学的メカニズムは解明されていない。申請者らは癌細胞のSTASが腫瘍関連マクロファージの浸潤や上皮間葉転換により促進される可能性を報告し、癌細胞が産生するMMPによる肺間質の細胞外マトリックス分解とSTASとの関連性に着目している。 本研究では肺癌を対象に免疫組織化学を用いて、腫瘍関連マクロファージや上皮間葉転換、MMPを定量的に評価する。ホールスライドイメージングスキャナーにより取り込まれた標本のデジタルパソロジー画像をsemi-AI(人工知能)を用いた組織形態解析ソフトにより判定し、3次元再構成を行い、STASにおける癌細胞と間質の相互関係を3次元的に解明する。
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研究実績の概要 |
申請者らは肺癌細胞のSTASを高悪性度の進展形式として提唱し、現在ではSTASが臨床的な予後不良因子として認識されている。しかし、肺癌においてSTASの発生を促進する分子マーカーや腫瘍微小環境に関しては解明されていない。申請者らはこれまでに腫瘍免疫微小環境や上皮間葉転換と腫瘍細胞の浸潤性に着目して研究を行っており、腫瘍関連マクロファージの増加や上皮間葉転換がSTASの頻度を高める可能性を報告してきた。さらに、予備研究の結果から、MMP-7の発現がSTASの表面に特異的に認められることを見出し、英文雑誌のLung Cancer に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では肺癌を対象にSTASの腫瘍集塊の腫瘍関連マクロファージの浸潤やMMPの発現の程度をsemi-AIのシステムで定量的に評価し、上皮間葉転換を間葉への転換の程度に応じて、epithelial, intermediateおよびmesenchymalの3つのフェノタイプに分類する。連続切片で作製した染色標本をデジタルパソロジー画像として、組織の3次元再構成を行い、STASにおける腫瘍関連マクロファージやMMP発現との相互関係、上皮間葉転換の分布を3次元的に解析し、、STAS発生の生物学的メカニズムを立体的な構築から明らかにする。腫瘍微小環境は単一のマーカーで染色して解析するのではなく、本研究ではマクロファージマーカー(CD68やCD163)とMMPを組み合わせて二重染色を行うことにより、STASにおける腫瘍関連マクロファージとMMPの発現の相互関係をより明確に解析することができる。
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