研究課題
基盤研究(C)
本研究は,腎星細胞である糸球体メサンギウム細胞を起点に,糖尿病性腎症の発症や疾患の進行を制御する基盤病態の理解をめざす.糖尿病では,レチノイン酸を枯渇する腎糸球体内で,活性化メサンギウム細胞が誕生する.その結果,血管内皮細胞とメサンギウム細胞で構成される星細胞機能ユニット内で,毛細血管にあるタイト結合のバリア機能異常がおこる.そのため,血管透過性が亢進し,滲出性病変を形成する.進行期では,メサンギウム細胞は,過剰な細胞外マトリックスを産生し,最終的に糸球体硬化症に至る.そこで,本申請では,糖尿病におけるメサンギウム細胞の機能異常を理解し,新しい治療戦略と予防法を創出するための基盤的情報を得る.