研究課題/領域番号 |
23K06449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
百瀬 修二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70360344)
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研究分担者 |
沢田 圭佑 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (30784384)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高悪性度B細胞リンパ腫 / DLBCL / Burkittリンパ腫 / HGBL / lymphoma / MYC |
研究開始時の研究の概要 |
悪性度の高いB細胞リンパ腫には主にバーキットリンパ腫, びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)とともに高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)がある。WHO分類2022ではMYCとBCL2に再構成を有するHGBL with MYC and BCL2と、これらに共再構成を持たず、形態的には中間的な細胞形態からなるHGBL, NOSの2つに分けられる。HGBLは形態的にはDLBCLと区別がつかないが、染色体解析を行うことで両者の区別が可能である。しかしながら全例に染色体解析を行うことは費用と設備の面から不可能である。本研究では比較的簡便に日常的に両者を鑑別できる診断法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
高悪性度B細胞リンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)とBurkittリンパ腫(BL)の中間的な立ち位置にあるが、その診断には蛍光 in situ hybridization (FISH) による遺伝子再構成の検索が必須となっている。しかしながら、FISH 検索を日常診断におけるリンパ腫全例で行うことは事実上困難であり、免疫組織化学などの代替手段の提示が求められている。 今回、FISH検索などに頼らず、免疫組織化学的に高悪性度B細胞リンパ腫を抽出する方法を目指して、種々のマーカーの検索を行った。すでにマーカー検索のための組織マイクロアレイ(TMA)の構築や FISH による MYC, BCL2, BCL6 の検索を320例で終えている。 高悪性度B細胞リンパ腫の免疫組織化学的 surrogate marker 検索のために、遺伝子発現プロファイルから有力な候補遺伝子を現在抽出し、免疫組織化学的な検索を実行中である。 さらに高悪性度B細胞リンパ腫の分子基盤を検討するためにRNAを抽出し、遺伝子発現レベルでの分子分類を基に、上記マーカーとの整合性を踏まえ、高悪性度B細胞リンパ腫抽出のためバイオマーカーを同定する。現在、RNA抽出を終えた例数は 120で、引き続き抽出を進めて行く予定である。 さらに 遺伝子改変動物を用いた高悪性度B細胞リンパ腫の疾患モデルの樹立を試みている。一つは上記マーカー候補遺伝子のConventional knock out miceであるが、より疾患モデルとしての正確性を検討するため、conditional knock out miceの樹立に向けて検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
消耗品等の到着にやや時間を要したため
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今後の研究の推進方策 |
形態にDLBCLとされる症例のうち、遺伝子発現レベルで高悪性度B細胞リンパ腫とされる症例の抽出を目指す。現在、形態的に DLBCL である症例の RNA 抽出を行っており、目標症例数200例を目指して、抽出を行っている。また解析に必要な症例を追加し、適宜FISHや必要な免疫組織化学を追加し、基盤となるデータベースの整備も行っていく。 また複数因子の機能解析のための分子生物学的解析も行っていく。とくにFactor Aの転写因子としての機能を解析するためにクロマチン免疫沈降法を続けて行い、結合部位の同定を試みる。
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