研究課題/領域番号 |
23K06451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
本田 一穂 昭和大学, 医学部, 教授 (10256505)
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研究分担者 |
高木 孝士 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (10774820)
康 徳東 昭和大学, 医学部, 講師 (00571952)
澤 智華 昭和大学, 医学部, 講師 (80422541)
鈴木 泰平 昭和大学, 医学部, 講師 (10749948)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 3次元電子顕微鏡 / アレイトモグラフィー法 / 走査型電子顕微鏡 / 分子標的薬 / 腎糸球体傷害 / 糸球体傷害 / オルガネラ / 血栓性微小血管症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はがん治療に用いられている分子標的薬による糸球体傷害の腎生検材料を用いて,最新の手法である3次元電子顕微鏡解析を応用し,糸球体細胞の超微形態変化,特に細胞小器官(オルガネラ)の異常を明らかにし,病態診断と治療への糸口を探る。さらに糸球体マイクロダイセクションによる蛋白質量分析で,オルガネラ異常関連蛋白を同定し,分子標的薬による糸球体傷害の機序の解明とバイオマーカーの探索に役立てたい。3次元電子顕微鏡法を駆使したオルガネラ診断法の確立は,ミトコンドリア病やライソゾーム病など多くの難治性疾患の新たな診断のみならず,各種疾患の病態診断に役立つことが期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は3次元電子顕微鏡画像取得のための連続超薄切切片標本の作製方法(アレイトモグラフィー法)の検討を行った。試料は患者の同意が得られたヒト絨毛組織(倫理委員会承認済)で、エポン樹脂包埋ブロックを作成し、新規に開発された超薄切用器具を用いて連続切片を作成し、基板に連続切片アレイを貼付した。この試料を走査型電子顕微鏡(日立Regulus8220)にて連続切片画像を自動連続撮影した。取得データはPhotoshop(Adobe Inc.)とDragonFly (Maxnet)で画像解析した。その結果、絨毛栄養膜細胞の合胞体化の過程において、合胞体性栄養膜細胞に取り込まれる細胞膜の構造を立体的に観察することができた。これらの知見は,今後の3次元電子顕微鏡撮影法を用いた研究の推進に役立つものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は3次元電子顕微鏡観察に用いる高機能走査型電子顕微鏡(日立SU8600)の導入が延期されたため、学内での走査電子顕微鏡使用ができなかった。また、本研究の研究対象である分子標的薬による腎障害の生検症例の選定が遅れた。したがって、今年度は共同研究者が行っている産婦人科の臨床研究(学内倫理委員会承認済)の胎盤絨毛組織を用いて、3次元電子顕微鏡のための連続超薄切切片作製法(アレイトモグラフィー法)の技術的な検討を、学外の走査型電子顕微鏡を借用して実施した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本学あるいは研究協力の得られる施設で経験された分子標的薬による腎障害の症例を選定し、倫理委員会の承認を得て研究を行っていく予定である。まず、対象症例の薬剤投与と腎障害の関連性を臨床的に確認した後、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡ならびに電子顕微鏡所見の詳細を検討する。糸球体に何らかの特徴的な病変が観察されれば、透過型電子顕微鏡用のエポン包埋ブロックを用いて連続超薄切切片を作成し、走査電子顕微鏡で連続的に撮影する。取得データはPhotoshop (Adobe Inc.)とDragonFry (Maxnet)で画像解析する。なお、3次元電子顕微鏡観察に用いる高機能走査型電子顕微鏡(日立SU8600)は昨年度末に導入され、使用が可能となっている。
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