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甲状腺乳頭癌高リスク群の腫瘍微小環境を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 23K06456
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49020:人体病理学関連
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

千葉 知宏  公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (60398617)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード甲状腺癌 / 乳頭癌 / 人体病理 / 腫瘍微小環境 / 細胞診
研究開始時の研究の概要

甲状腺乳頭癌の高リスク群では、TERT promoter変異 (TERTm)が確認される。形態学的解析から、TERTm例では特徴的な間質を伴うことを観察した。
本研究では、TERTm例の特異的な腫瘍微小環境の解明を目指す。当院の大規模コホート(約1300例)とLBC検体を利用し、IL-6/STAT3経路に注目し微小環境の解明を試みる。
本研究は、甲状腺癌のリスク細分化や新たな治療開発に寄与する。

研究実績の概要

甲状腺乳頭癌は、基本的に予後の良い癌であるが、一部に再発を繰り返す予後不良例(高リスク群)が含まれる。これまでの研究からドライバー遺伝子に関わらず、TERT promoter (TERTp)変異を有する乳頭癌の予後が悪いことを確認したが、そのメカニズムは明らかでない。形態学的解析から、TERTp変異例では、線維芽細胞、微小血管、免疫細胞を豊富に含む特徴的な間質(活性化間質)を伴うことを観察している。
本研究では、高リスク群であるTERTp変異例に注目し、その特異的な腫瘍微小環境の解明を目指す。研究実施にあたっては、当院の乳頭癌大規模コホート(約1300例)とLBC検体を利用し、1) immunogenomic landscapeの解析、2) IL-6/STAT3経路の役割の解明、3) 液状化細胞診(LBC)検体を用いた診断への応用の3点を試みる。
初年度は、乳頭癌大規模コホートを用いた免疫微小環境の解析を実施した。具体的には、乳頭癌症例のTissue microarray (TMA) 検体を用いて、STAT3、phospho-STAT3、cyclin D1、Bcl 2の免疫染色を実施した。その結果、STAT3が乳頭癌核内に集積した症例の方が臨床的予後が良いことを見出した。そのメカニズムは不明であるが、IL6/STAT3経路により間質がinactiveになったことも一因と考える。次年度以降、メカニズムの詳細を分子遺伝学的に解析する。
本研究により、高リスク群に特有の腫瘍微小環境が明らかとなれば、リスクの細分化や新たな治療開発に寄与すると考える。他のTERTp変異を有する悪性腫瘍への応用も期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実施状況に関してはおおむね順調に進展している。TMAを用いた検討を中心に進めているが、症例数が多いため、TMAの解析に最も時間がかかることを想定している。次年度以降も計画に沿って研究を実施する。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、当院にて得られたTERTp変異およびTERTp野生型乳頭癌の組織検体(各10-15例)よりRNAを抽出、mRNAライブラリーを作成してRNA-seqを実施する(RNA-seqは受託予定)。得られたデータをCIBERSORTにより解析し、高リスク群に特徴的な免疫微小環境を同定する。
また、炎症性シグナルとして重要であるIL6/STAT3経路に注目し、培養細胞および組織切片を用いた機能解析を実施する。
LBC検体を用いた解析を実施する準備段階としてLBC検体を用いた免疫染色および核酸抽出の条件を検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Molecular Pathology of Thyroid Tumors: Essential Points to Comprehend Regarding the Latest WHO Classification2024

    • 著者名/発表者名
      Chiba Tomohiro
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 12 号: 4 ページ: 712-712

    • DOI

      10.3390/biomedicines12040712

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Prevalence and diagnostic significance of non-invasive follicular thyroid neoplasm with papillary-like nuclear features in Japan-A multi-institutional study2024

    • 著者名/発表者名
      Mitsuyoshi Hirokawa, Masahiro Ito, Noriko Motoi, Tomohiro Chiba, Yoshiaki Imamura, Hironao Yasuoka, Rumi Hino, Miyoko Higuchi, Akira Miyauchi, Takashi Akamizu
    • 雑誌名

      Pathol Int

      巻: 74 号: 1 ページ: 26-32

    • DOI

      10.1111/pin.13393

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 甲状腺腫瘍の遺伝子異常2023

    • 著者名/発表者名
      千葉 知宏
    • 雑誌名

      日本内分泌外科学会雑誌

      巻: 40 号: 2 ページ: 93-98

    • DOI

      10.11226/ojjaes.40.2_93

    • ISSN
      2434-6535, 2758-8785
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 甲状腺腫瘍の分子病理学:新WHO分類を読み解く8つのポイント.2023

    • 著者名/発表者名
      千葉 知宏
    • 雑誌名

      診断病理

      巻: 40 ページ: 103-113

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 甲状腺における背景遺伝子異常2023

    • 著者名/発表者名
      千葉知宏
    • 学会等名
      第64回日本臨床細胞学会総会春期大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 甲状腺腫瘍の新WHO分類2023

    • 著者名/発表者名
      千葉知宏
    • 学会等名
      第96回日本内分泌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 甲状腺がんと個別化医療2023

    • 著者名/発表者名
      千葉知宏
    • 学会等名
      第62回日本臨床細胞学会秋期大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 甲状腺腫瘍の遺伝子異常2023

    • 著者名/発表者名
      千葉知宏
    • 学会等名
      第51回日本乳腺甲状腺超音波医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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