研究課題/領域番号 |
23K06471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三枝 信 北里大学, 医学部, 教授 (00265711)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 子宮内膜癌 / ALK / 免疫染色 / 上皮間葉転換 |
研究開始時の研究の概要 |
「ALK関連子宮内膜癌が存在し、そのシグナルカスケード活性化は癌細胞の神経内分泌分化、腫瘍進展、および治療抵抗性に関与する」という作業仮説を立案した。本研究は、この仮説を立証し、ALK遺伝子をターゲットにした進行期子宮内膜癌の新規治療戦略基盤を構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
子宮内膜癌におけるALK発現:子宮内膜癌検体168症例(Grade1(G1):91例、Grade2(G2):40例、Grade(G3):37例)においてALKの免疫染色を行った。Grade1では膜に発現し、一方でGrade3では膜並びに細胞質で強い発現を示していた。また、一部の症例では核発現を示すものも認められた。各GradeにおけるALKの発現は、Grade1及びGrade2と比較してGrade3において有意に高発現であった。 ALK陽性症例のうちGrade3の細胞質で最も多く発現していることを確認した。ALK陽性症例の内、高発現症例と低発現症例をランダムに選択し、in situ hybridization(ISH)を行なった結果、ALKタンパク発現並びにALK mRNA発現では同一部位の局在を示した。また、ISH scoreのうち「-」及び「+1」(-/+1)、「+2」及び「+3」(+2/+3)の2群に分け比較をした結果、ALK mRNA発現とタンパク発現は有意に正の相関を示した。また、子宮内膜癌ALK高発現4症例においてFluorescence in situ hybridization (FISH)を行った。ALK遺伝子上に赤色、緑色の標識をし、正常なら黄色、切断・融合が起きていれば2色を示す。4つの症例において、シグナルが黄色を示していたため、遺伝子転座は認められなかった。以上から、子宮内膜癌、特にG3型では、ALK遺伝子異常を伴わない全長型ALKが発現していると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
子宮内膜癌でのALK発現調節機構の解明:1)ALK発現調節上流因子の同定・決定 <目的>子宮内膜細胞でALK遺伝子発現を制御している転写因子の同定。<方法>①ALK遺伝子のプロモーター領域をpGL-4B-luc vectorにクローニングする(作製済)。②このプロモーター領域内に結合する候補転写因子を選出する。これらの候補分子のcDNAをpGL4B-ALK-lucと一緒に子宮内膜癌細胞へcotransfectionし、ルシフェラーゼ法でその活性の変化を検証する。③同定した転写因子のALK遺伝子プロモーター内の結合部位を決定する。④同定した候補転写因子の発現を、卵巣癌の臨床検体で確認する。2)ALK下流因子の同定:増殖・アポトーシス制御系 <目的>子宮内膜癌でのALKの機能解析を、細胞増殖とアポトーシス制御の観点から検証する。<方法>①細胞増殖:恒常的ALK過剰発現子宮内膜癌細胞を作製し、その細胞増殖能の変化を検証する。また、細胞周期および細胞周期関連分子の発現変化を検証する。②アポトーシス:恒常的ALK発現卵巣癌細胞を、シスプラチンなどの抗癌剤で処理して、アポトーシス誘導をFACS、TUNEL染色などで検証する。同時にアポトーシス関連分子の発現変化も検証する。
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