研究課題/領域番号 |
23K06472
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松本 俊英 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (10623184)
|
研究分担者 |
三枝 信 北里大学, 医学部, 教授 (00265711)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 卵巣明細胞癌 / EBP50 / プロテオミクス / MYH9 / 細胞極性 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣明細胞癌(OCCC)は抗癌剤療法に低感受性で進行・再発癌の患者予後は極めて不良 である。EBP50は、多種多様な癌関連パートナー分子と結合する機能的多様性を示すタンパク質である。研究代表者は、OCCCにおいてEBP50が細胞膜で強い発現を示す患者群は予後良好である成果を皮切りに、「OCCCにおいて、膜性EBP50発現はMYH9と複合体を形成し、細胞極性制御を介して上皮間葉転換や癌幹細胞化誘導を抑制する。その結果、抗腫瘍作用として抗癌剤感受性や患者予後に寄与する」との作業仮説の立案に至った。本研究では、OCCCのEBP50/MYH9複合体解析を基軸として、新規治療法開発と予後改善へ繋げる。
|
研究実績の概要 |
2023年度は卵巣明細胞癌における膜性EBP50(Ezrin-radixin-moesin-binding phosphoprotein-50)発現検索と臨床病理学的因子との相関性を中心に解析した。 卵巣明細胞癌臨床検体120症例を用いて免疫染色を実施したところ、64症例(53.3%)は膜性EBP50発現を示し、42症例(35.0%)は質性EBP50発現、14症例(11.7%)はEBP50発現消失を示した。予後評価においては、膜性EBP50発現は無増悪生存期間・全生存期間ともに最も予後良好群であった。 次に、膜性EBP50発現についてはIHC scoreを算出して評価を行った。評価方法は、染色強度を4段階(0:陰性、1:弱陽性、2:中程度陽性、3:強陽性)と陽性腫瘍細胞率を5段階(0:0%、1:~10%、2:~30%、3:~50%、4:~100%)を掛け合わせた値をIHC score(0~12)とする。膜性EBP50発現のcut-off値を4に設定したところ、臨床病理学因子との相関性については、FIGO Stageと遠隔転移にて有意に高発現群は低悪性度を示すことが分かった。 以上の結果より、先行研究結果と同様、膜性EBP50発現は抗腫瘍作用として機能していることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた膜性EBP50発現は当初の予定通り完了した。
|
今後の研究の推進方策 |
EBP50ノックアウト系細胞をCRISPR Cas-9システムを用いて実施する。 作製後は、各種増殖・細胞周期マーカー(Ki-67、Cyclin A、Cyclin B1、p21waf1、p27kip1)及びPropidium Iodide(PI)染色を用いたFlow cytometryによる細胞周期解析を行うとともに、iii) 細胞骨格因子(F-actin、Vimentin、Tubulin)や細胞極性マーカー(E-cadhein、ZO-1、Claudin-1)に関するタンパク質発現、免疫蛍光染色法と共焦点顕微鏡下での可視化により細胞極性変化を解析する。
|