研究課題/領域番号 |
23K06480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
範 江林 山梨大学, 大学院総合研究部, 研究員 (60272192)
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研究分担者 |
新見 学 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80644898)
唐 向明 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (90912783)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 高脂血症 / 遺伝子改変ウサギ |
研究開始時の研究の概要 |
まず、初年度より野生型ウサギ及びヘテロ、ホモKOウサギを用いて高コレステロール食(高脂肪食餌)を負荷させて動脈硬化実験を行い、IDOL欠損による高脂肪食餌に誘導された高脂血症と動脈硬化への影響を検討する。次年度以降にはIDOL・KOウサギとアポE・KOウサギ(高レムナント血症モデル)[14]及びWHHLウサギ(高LDL-C血症モデル)の交配繁殖を行い、それぞれのダブルKOウサギを作製し、自然発症した高レムナント血症、高LDL-C血症及び動脈硬化の発生におけるIDOLの役割を検討する。
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研究実績の概要 |
最初の実験ではIDOL遺伝子欠損(KO)ウサギの同定やフェノタイプの解析・繁殖を行って、動脈硬化実験に必要な各群の数を揃えた。さらに、IDOL遺伝子欠損ウサギと野生ウサギの血漿脂質およびリポ蛋白の解析を、正常食および高コレステロール食の条件で行った。正常食の飼育下では、野生ウサギと比較して、IDOL遺伝子欠損ホモウサギの血漿LDL-CとHDL-Cが有意に低下していることが観察された。しかし、IDOL遺伝子欠損ヘテロウサギの脂質値には変化が見られなかった。 次の実験では、ウサギに0.3%コレステロールと3%大豆油を含む高コレステロール食を与え、経時的に絶食後の血漿脂質値を測定した。野生ウサギは明らかな高コレステロール血症を示したが、IDOL遺伝子欠損ヘテロおよびホモウサギの血漿総コレステロール(TC)および中性脂肪(TG)値は野生ウサギよりも低く、IDOLの遺伝子欠損が高コレステロール食による高脂血症形成を著しく抑制していることが観察された。さらに、超遠心法を用いてリポタンパク質の分画を解析した結果、IDOL遺伝子欠損ウサギの血漿VLDL、LDL、IDLのすべてが野生ウサギよりも低下しており、IDOLの遺伝子欠損がこれらのリポ蛋白質の肝臓での異化を促進する可能性が示唆された。 今後は、高コレストロール食を与えられたウサギを16週間後に安楽死させ、大動脈硬化および冠状動脈硬化の解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
KOウサギを順調に繁殖でき、実験は計画通りに進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては、まず、IDOL欠損により高脂血症が抑制されるメカニズムを明らかにすることが重要である。そのために、KOウサギと野生ウサギの中性脂肪のクリアランス実験を行い、肝臓での脂質沈着の有無や、胆汁および便中のコレステロール排泄率の増加について調べる。また、ウサギを安楽死させた後には、大動脈および冠状動脈硬化の変化(病変の面積、細胞成分、細胞外基質の変化、炎症因子の発現、MMPなど)をさらに分析する。これらの解析を進めながら、論文の執筆を行っていく。
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