研究課題/領域番号 |
23K06496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70396612)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | p62 / シャトリング / オートファジー / 腎疾患 / ポドサイト |
研究開始時の研究の概要 |
p62は細胞内のタンパク質分解系であるオートファジーの選択的な基質であるが、神経変性疾患やガンの発症に関わることが知られている重要なタンパク質である。本研究は、p62の細胞内における挙動に着目し、p62の細胞内の局在性と機能という全く新しい視点から解析を加える。本研究で得 られる成果は、それらに対し新たに細胞内の場の重要性を示唆する生物学的新知見をもたら すことが見込まれる。
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研究実績の概要 |
近年、急速に解明が進んだ細胞内タンパク質分解系であるオートファジーにおいて、p62はアダプター分子として選択的基質となり、種々の病態で観察される異常タンパク質凝集体の形成に決定的な役割を持つことが知られている。研究代表者はこれまでに、p62が核と細胞質間をシャトリングしていることに着目し、p62の発現が核あるいは細胞質に限定する変異マウスを作製することによって、p62の局在異常が致死的な腎機能障害や肥満症を引き起こすことを新たに見出した。本研究はこの現象の分子基盤を解明し、p62の機能に対して細胞内における「動的挙動」という独自の視点から解析を加える。 今年度は野生型およびdNES-p62発現マウスから、レーザーマイクロダイセクションにより糸球体を単離して、発現タンパク質を質量解析、DIA法により網羅的に比較解析した。現在解析を続けているが、dNES-p62で顕著に発現が上昇しているタンパク質が複数見つかり、それらの中に凝集体の構成要素が含まれていることが予想される。 また、dNLS2-p62マウスについても解析を進め、体重増加曲線、内臓脂肪量、血液生化学パラメーターなど、肥満症に関連した基礎的データを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの繁殖を含め予定していた実験が計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
dNES-p62マウスについては、質量解析の結果同定されたタンパク質について、その局在や発現量を実際に検証する。 具体的には、個々の抗体を用いて、免疫染色、ウエスタンブロットにより比較解析を行う。 dNLS-p62マウスについては、摂餌量を精密に測定する。過食が認められた場合には、ペアフィーディングにより、過食ー肥満を証明する。また、脂肪細胞の分化亢進にp62が関与していることが報告されているため、胎児由来線維芽細胞、脂肪前駆細胞を各系統のマウスより調整し、脂肪細胞への分化の程度を比較して肥満症発症への関与の有無を調べる。
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