研究課題/領域番号 |
23K06498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
里岡 大樹 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40750360)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / ROS / PTEN / 自己免疫疾患 / レドックスシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
Foxp3をマスター転写因子とする制御性T細胞(Treg)の生体内維持の破綻は自己免疫疾患の病態に関与するが、炎症環境におけるTreg維持の調節は不明な点が多い。一方、自己免疫疾患では炎症環境で産生される活性酸素種(ROS)が増加しており、ROSによるレドックス(酸化還元)シグナルがその病態に関与する可能性がある。Foxp3がTreg維持に重要であることから、本研究はROSによる自己免疫疾患の病態形成のメカニズムとして、レドックスシグナルによるFoxp3の発現制御に着目し、炎症環境におけるTreg維持の調節機構を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
Foxp3をマスター転写因子とする制御性T細胞(Treg)の生体内維持の破綻は自己免疫疾患の病態に関与するが、炎症環境におけるTreg維持の調節は不明な点が多い。自己免疫疾患では炎症環境で産生される活性酸素種(ROS)が増加しており、ROSによるレドックス(酸化還元)シグナルがその病態に関与する可能性がある。Foxp3がTreg維持に重要であることから、本研究はROSによる自己免疫疾患の病態形成のメカニズムとして、レドックスシグナルによるFoxp3の発現制御に着目し、炎症環境におけるTreg維持の調節機構を解明することを目的とした。自己免疫疾患モデルにおいて、Treg維持に重要なホスファターゼであるPTENがROS依存的に酸化されることに着目し、その下流シグナルを含むTregの生体内維持の破綻メカニズムを検討したところ、関節リウマチのモデルマウスであるCIAマウスより単離したTregにおいて、ROS依存的なPTENの酸化に伴いAktのリン酸化依存的にSTAT3が活性化することが明らかとなった。さらに、PTENの酸化がTreg特異的な生体内維持の破綻および自己免疫疾患の病態形成に関与するか調べるため、酸化されたPTENと同等の活性を持つPTENC124SをTreg特異的に発現するトランスジェニックマウスの作製を試みた。Treg特異的な発現制御を行うため、PTENC124Sの直前に転写終結ボックスをloxPで挟み込む形で挿入したコンストラクトをRosa26遺伝子座位にノックインし、十分数のキメラ個体を得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、関節リウマチモデルマウス由来のTregにおけるPTENの酸化とその下流シグナルを明らかにすることが出来た。また、Treg特異的に酸化型PTENを発現するマウスの作製を試みた。pROSA26-PTENC124Sベクターを作製し、本ベクターを用いてマウスES細胞におけるノックインを試みたところ、PTENC124ノックインキメラ個体を十分数得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作製したPTENC124SノックインマウスとTreg特異的にCre組換え酵素を発現するマウスを交配し、Treg特異的に酸化型PTENを発現するマウスを作製する。そして、本マウスにおける、自己免疫疾患の病態、およびTregの生体内維持を解析する。さらに、Treg特異的PTENC124S発現マウスおよび関節リウマチモデルマウスを用いて、PTENが酸化された際に野生型PTENとヘテロ二量体を形成することで下流シグナルを変化させることを明らかにする。
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