研究課題/領域番号 |
23K06505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
笠井 謙次 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70242857)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ユビキチン / PD-L1 / ENTREP / がん |
研究開始時の研究の概要 |
ENTREPのARIH1結合領域の同定し、ENTREPによるPD-L1ユビキチン化解析を行い、ENTREPによるPD-L1ユビキチン化制御の状態を解明する。合わせてPD-L1細胞内局在の変化やがん細胞株での細胞表面PD-L1解析を通じて、ENTREP-ARIH1制御によるPD-L1の細胞表面での発現状況を解析する。これらの情報を踏まえ、膜透過性シグナルを付与したdecoy型の人工ENTREPペプチドをデザインし、実験的にがん細胞表面のPD-L1発現の制御および抗腫瘍免疫賦活化の可能性について検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、本課題研究者が解析し命名したENTREP1(FAM189A2)から見たPD-L1のユビキチン化修飾とがん細胞表面での発現制御を明確にし、さらに人工ENTREPペプチドによる抗腫瘍免疫賦活化戦略の可能性を検証することにある。2023年度には、まずPD-L1ユビキチン化酵素として報告されているユビキチンE3リガーゼARIH1とENTREP1との結合領域を免疫沈降にて検証した。その結果、ENTREP1側の責任領域は同定できなかった。その上で改めてENTREP1のアミノ酸配列を各種タンパク質構造予測ソフトにて解析した所、ENTREP1細胞内領域の357aa~377aaがcoiled-coil(C-C)ドメイン構造を取ることが予測された。ARIH1にも405aa以降のC末端側に数か所のC-Cドメインが予測されることから、今後これらドメインの欠損変異体用発現ベクターを作成し、結合責任領域の確定を進める。また内因性PD-L1を発現しているヒト膀胱癌細胞株T24を用いてFACS解析及びレーザー共焦点顕微鏡観察を行った所、ENTREP1の強制発現により細胞表面PD-L1は減少する傾向が観察された。このことは各種がん細胞ではENTREP1発現低下によりPD-L1ユビキチン化が障害され細胞表面に停滞するとの作業仮設に合致するものである。 さらにヒトENTREP1の転写開始点上流2kbpを解析した所、NR4A2やZEB1など転写因子結合部位が予測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ARIH1との結合に関わるENTREP1の責任領域の同定に難渋していた。その後改めてENTREP1のアミノ酸配列を各種タンパク質構造予測ソフトにて解析し、coiled-coil(C-C)ドメイン構造予測領域を得た。またARIH1にも数か所のC-Cドメインが予測されることから、これらドメインの欠損変異体用発現ベクターを用いて結合責任領域の確定を進める。
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今後の研究の推進方策 |
結合責任領域に関し、ENTREP1C-Cドメイン予測領域などの欠損変異体用発現ベクターを用いて結合責任領域の確定を進める。またこれらを陰性コントロールとしてENTREP1存在下でのPD-L1ユビキチン修飾の性状を解析する。合わせてENTREP1転写調節に関わる因子をsiRNA法にて検証すると共に、レポーターアッセイなどにより各種がん細胞でのENTREP1発現抑制の機構についても解析を進める。
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