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エーラス・ダンロス症候群患者iPS細胞の遺伝子修復による骨関連組織の再生医療研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K06510
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関徳島文理大学

研究代表者

庄司 正樹  徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00636821)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード脊椎手掌異形成型エーラスダンロス症候群 / 疾患特異的iPS細胞 / ZIP13 / 亜鉛トランスポーター / 骨分化 / エーラス・ダンロス症候群
研究開始時の研究の概要

本研究では、脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群(EDSSPD3)患者人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の間葉系間質細胞(MSC)から骨芽・軟骨細胞への誘導過程において、健常者および当該患者iPS細胞のZIP13G64D点変異修復株由来MSCを比較対照とし、分化と機能にかかわるシグナル経路を解析する。これにより、ZIP13のG64D点変異が患者病態に与える影響を解明する。さらに、当該患者iPS細胞由来のMSCを用いて、解析したシグナル経路を標的とする薬剤の探索研究を実施し、EDSSPD3患者の骨関連組織を再生させる治療戦略の構築を目指す。

研究実績の概要

脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群(EDSSPD3、OMIM 612350)は、機能喪失型の亜鉛トランスポーターSLC39A13/ZIP13に起因する結合組織疾患であり、当該患者は骨形成不全症に関連する症状を呈する。当疾患は難治性の遺伝性疾患であり、現時点において治療法に関する報告はない。本研究では、将来における当疾患に対する治療法開発の基盤構築のために、当該患者から樹立した人工多能性幹細胞(iPSC)(EDSSPD3-iPSC)および、そのZIP13点変異修復iPSCを用いて、骨組織に関連した解析を行った。
iPSCから骨細胞への分化は、神経提細胞(NCC)を介した間葉系幹/間質細胞(MSC)からの誘導方法を適用した(Fukuta, PLoS ONE 2014)。その結果、EDSSPD3-iPSC由来NCCでは、NCCマーカーであるNGFRの発現細胞数および遺伝子発現が減少したが、ZIP13点変異の修復により回復した。さらに、NCCからMSCを介し骨芽細胞へと分化させたところ、EDSSPD3-iPSC由来MSCでは、健常者由来と比べ骨分化能が低下したが、ZIP13点変異を修復することで骨分化能は上昇した。これらの結果は、当該患者が呈する骨密度の低下が、ZIP13の機能喪失点によるMSCの骨形成能低下に起因することを示唆している。
以上の結果から、EDSSPD3-iPSCは、ZIP13の機能喪失に起因する骨関連組織の病態分子メカニズムの解明や創薬に寄与すると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究により、脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群(EDSSPD3)患者iPS細胞から分化した神経提細胞(NCC)では、NCCマーカーであるNGFRの発現細胞数および遺伝子発現が減少したが、EDSSPD3患者がもつZIP13点変異を修復することにより回復したことを見出した。さらに、NCCから間葉系幹/間質細胞(MSC)を作製後に骨芽細胞へと分化させたところ、EDSSPD3患者iPS細胞由来MSCでは、健常者由来と比べ骨分化能が低下したが、ZIP13点変異を修復することで骨分化能が上昇していた。これらの結果は、当該患者が呈する骨密度の低下が、ZIP13の機能喪失点によるMSCの骨形成能低下に起因することを示唆している。
以上の結果は、本研究課題がおおむね順調に進展していることを示している。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群(EDSSPD3)患者およびZIP13点変異修復のiPS細胞とiPS細胞由来間葉系幹/間質細胞(MSC)、分化させた骨芽細胞における網羅的な遺伝子発現解析を行う。そして、その遺伝子解析からMSCから骨芽細胞への分化に関連するシグナル経路を解明する。さらに、作製したMSCの質を解析するために、骨芽細胞だけでなく、軟骨細胞や脂肪細胞へと分化能を検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Possible involvement of zinc transporter ZIP13 in myogenic differentiation2024

    • 著者名/発表者名
      Shoji Masaki、Ohashi Takuto、Nagase Saki、Yuri Haato、Ichihashi Kenta、Takagishi Teruhisa、Nagata Yuji、Nomura Yuki、Fukunaka Ayako、Kenjou Sae、Miyake Hatsuna、Hara Takafumi、Yoshigai Emi、Fujitani Yoshio、Sakurai Hidetoshi、dos Santos Helo?sa G.、Fukada Toshiyuki、Kuzuhara Takashi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 14 号: 1 ページ: 8052-8052

    • DOI

      10.1038/s41598-024-56912-7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群患者iPS細胞の遺伝子修復による骨関連組織の再生医療研究2024

    • 著者名/発表者名
      庄司正樹、永渕楓華、由利優心、長瀬早咲、原貴史、吉開会美、福中彩子、藤谷与士夫、Heloisa G. dos Santos、深田俊幸、葛原隆
    • 学会等名
      第23回日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 骨格筋分化における亜鉛輸送体ZIP13の関与の可能性:脊椎手掌異形成型エーラス・ダンロス症候群患者のiPS細胞を用いた検討2024

    • 著者名/発表者名
      長瀬早咲、庄司正樹、由利優心、大橋拓人、原貴史、吉開会美、福中彩子、藤谷与士夫、櫻井英俊、Heloisa G. dos Santos、深田俊幸、葛原隆
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 【世界初の発見】亜鉛分子が骨格筋の分化に関与

    • URL

      https://www.bunri-u.ac.jp/info/2024040400024/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 筋肉形成に亜鉛関与 徳島文理大共同研究チーム解明

    • URL

      https://www.topics.or.jp/articles/-/1059908

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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