研究課題/領域番号 |
23K06515
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
金子 伊澄 三重大学, 医学系研究科, 助教 (20515720)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | マラリア / スポロゾイト / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
スポロゾイトはマラリア原虫がヒトに感染する最初のステージでありワクチンや薬剤の標的として重要である。スポロゾイトは蚊中腸上のオーシスト内で形成された後、唾液腺に侵入する。唾液腺に侵入したスポロゾイトは蚊の吸血により放出され、肝臓に到達し血液感染ステージとなる。本ステージで発現する遺伝子はスポロゾイト形成(スポロゴニー)、唾液腺侵入、肝臓感染などの各過程において機能するグループに分類される。本研究では申請者がこれまで進めてきたChIP-seq法の技術的改良の成果をもとに、スポロゴニーから肝臓ステージに至る過程での転写制御機構の全体像を解明する。
|
研究実績の概要 |
AP2-Spがスポロゾイトステージに発現する他の転写因子の発現を誘導するマスター転写因子であることを証明するため、転写因子AP2-Sp2上流域に存在するAP2-Sp結合配列にCRISPR法で変異を加え、その表現型を解析した。転写因子をコードする遺伝子の上流では結合配列が広範囲にクラスターを形成しているため複数箇所に同時に変異を加える必要がある。この目的のため、組み換え原虫の作製に研究代表者らが開発したdouble CRISPR法を用いた。その結果AP2-Sp2遺伝子の転写は顕著に低下し、AP2-Sp2ノックアウト原虫と類似した表現型が得られることを確認した。さらにAP2-Sp2のChIP-seq解析を実施し、結合配列、標的遺伝子を決定した。AP2-Sp2のChIP-seqでは多数のスポロゴニー途上のオーシストやスポロゾイトが含まれている感染中腸を出発材料とした。100匹の感染蚊を使用した2回のChIP-seq解析を行い再現性を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請時の研究計画通りの実験を行いおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度AP2-Sp2遺伝子に対して行った実験を、同様にAP2-Sp3, AP2-Sp4(仮名), SLARP遺伝子に関しても行う。AP2-Sp3はスポロゴニー・オーシストスポロゾイト期に発現していることからAP2-Spと同様に感染中腸を出発材料とする。AP2-Sp4 およびSLARPは唾液腺感染後発現がピークに達するため感染唾液腺を出発材料としてChIP-seqを実施する。さらにRNA-seqによるトランスクリプトーム解析を行い、実際の遺伝子発現データを取得する。RNA-seqは3期(感染中腸(スポロゴニー)、精製したオオシストスポロゾイト、精製した唾液腺スポロゾイト)で実施する。発現パターンにより遺伝子を分類(クラスタリング)する。また各グループの遺伝子の上流に濃縮される配列を統計学的に確認する。
|