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TSLPを中心とした自然免疫による糞線虫感染防御機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K06521
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49040:寄生虫学関連
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

安田 好文  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50333539)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード獲得免疫細胞 / ILC2 / IL-33 / NKT / Mast cell / CD4
研究開始時の研究の概要

寄生虫の排除には、T細胞やB細胞による獲得免疫が大きな役割を果たすため、自然免疫の役割は軽視されてきた。申請者らのは、CD4陽性T細胞不在下でも感染初期にはTSLPが糞線虫感染を抑制することを見出した。しかし、TSLPによる感染抵抗の機序は不明である。本研究では、どの細胞がTSLPを産生し、TSLPの標的細胞が何か、特に自然免疫細胞に対する影響を明らかにする。さらに上皮由来サイトカインであるIL-33、IL-25もILC2に対する活性化作用を持つことから、これらのサイトカインの獲得免疫非依存性感染抵抗性における関与も検討する。以上により自然免疫による糞線虫感染に対する抵抗機序を明らかにする。

研究実績の概要

まず、ヴェネズエラ糞線虫(S.venezuelensis)感染抵抗性において、CD4陽性T細胞以外にどのような細胞が関与するのかを調べるため、獲得免疫細胞の欠損するRag2欠損マウスとCD4陽性細胞除去マウスで感染抵抗性を検討した。その結果、CD4除去マウスに比較してRag2欠損マウスではより感染虫体数が多くみられたことから、CD4陽性T細胞以外の獲得免疫細胞がヴェネズエラ糞線虫に対して抵抗性に働くことがわかった。また、TSLPの標的細胞として自然免疫細胞の重要性を検討するため、Rag2欠損マウスとTSLPR/Rag2重欠損マウスにヴェネズエラ糞線虫を感染させて虫体数を比較したところ、TSLPRを欠損するとやや虫体数が多い傾向があるものの有意差はなく、TSLPの標的細胞は獲得免疫細胞が主であることが示唆された。一方で、グループ2自然リンパ球(ILC2)の重要性を検討するため、ILC2欠損マウス(Vav1-iCre/Rora-flox)にヴェネズエラ糞線虫を感染させたところ、腸管の寄生虫体数の増加、排虫の遅れが認められた。また肺胞洗浄液中の細胞を調べたところ、想定された通り好酸球が著しく減少しており、さらにST2陽性CD4陽性細胞数が半減していた。このヴェネズエラ糞線虫初感染においてTSLPの標的は獲得免疫細胞の可能性が高いが、ILC2も好酸球やTh2細胞誘導を介して抵抗性に貢献していると考えられた。TSLPR欠損マウスではTh2分化が遅れることから、ILC2とTSLPは協調してTh2分化を促し、線虫排除に関わる可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

S.venezuelensis感染に対する抵抗性に寄与するCD4陽性T細胞以外の細胞としてILC2を想定していたが、ILC2よりもむしろCD4以外の獲得免疫細胞の重要性が明らかとなった。しかし、S.venezuelensis感染後のメモリー様ILC2はNippostrongylus brasiliensis感染抵抗性に重要であること、このメモリーILC2誘導にTSLPが必要であることから、ILC2はナイーヴマウスの糞線虫初感染よりもメモリー化してからの方が感染抵抗性に重要であることがわかった。今後さらにTSLPの役割を検討していく予定である。

今後の研究の推進方策

ILC2欠損とTSLPR欠損マウスのMixed bone marrow chimera マウスを作製し、ILC2にTSLPが直接作用することを明らかにする。また細胞をin vitroでTSLP刺激し、STAT5のリン酸化などTSLPで直接活性化することを確認する。TSLPとIL-33刺激によってどの様な遺伝子が発現するか調べる。TSLPの産生細胞はin situ hybridizationや免疫染色、single cell RNA seq等で明らかにし、その誘導におけるDAMPsやES抗原の作用を検討する。またIL-33欠損マウスなどに抗CD4抗体を投与してCD4陽性細胞を除去し、TSLP以外の上皮由来サイトカインの寄生率への影響も検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] IL-33-induced keratoconjunctivitis is mediated by group 2 innate lymphoid cells in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Hosotani Y, Yasuda K, Nagai M, Yamanishi K, Kanazawa N, Gomi Fumi, Imai Y
    • 雑誌名

      Allergology International

      巻: 72 号: 2 ページ: 324-331

    • DOI

      10.1016/j.alit.2022.10.003

    • ISSN
      1323-8930, 1440-1592
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 自己集合性ペプチドゲルCK2はアジュバント/抗原のキャリアとして抗体産生を増強する2023

    • 著者名/発表者名
      安田好文、藤本美弥、黒田悦史
    • 学会等名
      第27回日本ワクチン学会 第64回日本臨床ウイルス学会 合同学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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