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EBウイルスによる細胞外微粒子産生のハイジャック機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06559
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49060:ウイルス学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐藤 好隆  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40754940)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードEpstein-Barrウイルス / テグメントタンパク質 / BNRF1 / 不死化 / エクソソーム / 感染細胞 / 微粒子
研究開始時の研究の概要

ウイルス感染細胞から放出される粒子は、ウイルス粒子だけではない。エクソソームに代表される細胞外微粒子(EV)はほぼ全ての細胞から放出されるため、当然、ウイルス感染細胞からも放出される。Epstein-Barrウイルス(EBV)は、新規感染の際にEBVは感染細胞から放出されるEVにウイルスタンパク質を内包し、補助的に使用している。しかし、どのようにEBVが宿主のEV産生装置をウイルスがハイジャックして、自身の感染拡大に利用しているかは不明である。そこで、本研究ではEBVがどのようにウイルスタンパク質をEVに内包するのか?およびEV生産をどのように制御するのか?などを明らかにすることを目指す。

研究実績の概要

ウイルス感染細胞から放出される粒子は、ウイルス粒子だけではない。エクソソームに代表される細胞外微粒子(EV)はほぼ全ての細胞から放出されるため、当然、ウイルス感染細胞からも放出される。Epstein-Barrウイルス(EBV)は、新規感染の際にEBVは感染細胞から放出されるEVにウイルスタンパク質を内包し、補助的に使用している。本研究では、EBVがどのようにウイルスタンパク質をEVに内包するか?およびEV産生をどのように制御するのか?などを明らかにすることを目指して研究を展開している。
EBVのテグメントタンパク質であるBNRF1やBGLF2はウイルス粒子にもEVにも内包される。これらのタンパク質の挙動をモニターするため、蛍光タンパク質であるmCherryを融合させたBGLF2-mCherryを発現する細胞を樹立した。今後は、この細胞を使用したスクリーニングを実施していく。
並行して、BNRF1の機能解析も実施した。BNRF1は溶解感染遺伝子ではあるが、自然宿主であるヒトB細胞では潜伏感染期にも発現が確認できた。BNRF1を欠損した組換えウイルス(EBV-dBNRF1)を感染させたB細胞は、野生型EBV(EBV-WT)を感染させたB細胞に比べて、in vitroでの増殖能が低下し、さらにマウスxenograftモデルにおいて腫瘍形成能が著しく低下することが明らかになった。BNRF1の下流で働く宿主因子としてミトコンドリアタンパク質IFI27を同定し、BNRF1-IFI27 axisの阻害により、EBV感染細胞のエネルギー産生が低下して、感染細胞の増殖能が低下することを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的であったEpstein-Barrウイルス(EBV)感染細胞の細胞外微粒子(EV)産生メカニズムの解明はスクリーニングが完了しておらず、当初の予定よりも遅れている。しかしながら、ウイルス遺伝子BNRF1の機能解析は、不死化に対するBNRF1の影響を解明できた(上述の研究実績の概要も参照)。さらにその下流の宿主因子IFI27の同定まで成功し、論文発表することができた(予想を上回る研究成果であった)。したがって、総じて、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

まずは当初の研究計画の1つであった細胞外微粒子(EV)産生に関わる因子のスクリーニングを完了させたい。また、引き続き、Epstein-Barrウイルス(EBV)遺伝子の機能解析も進めて行き、ウイルス感染細胞とウイルスおよび細胞微粒子の3者、さらに標的細胞も含めた4者が織りなす各種の相互作用に関して解明をしていきたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [国際共同研究] ハーバード大学(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Epstein-Barr virus lytic gene BNRF1 promotes B-cell lymphomagenesis via IFI27 upregulation2024

    • 著者名/発表者名
      Sagou Ken、Sato Yoshitaka、Okuno Yusuke、Watanabe Takahiro、Inagaki Tomoki、Motooka Yashiro、Toyokuni Shinya、Murata Takayuki、Kiyoi Hitoshi、Kimura Hiroshi
    • 雑誌名

      PLOS Pathogens

      巻: 20 号: 2 ページ: e1011954-e1011954

    • DOI

      10.1371/journal.ppat.1011954

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] EBV 感染初代B 細胞のシングルセルRNA-seq 解析2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤好隆, 村田貴之, 佐合健, 渡辺崇広, 木村宏, 奥野友介
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Epstein-Barr Virus Tegument Protein BBLF1 Potentiates Tumor Progression2023

    • 著者名/発表者名
      Md. Kamal Uddin, Takahiro Watanabe, Masataka Arata, Yoshitaka Sato, Takayuki Murata, Hiroshi Kimura
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Heterogeneity of individual B lymphocytes during transformation by Epstein-Barr virus infection2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Sato, Takayuki Murata, Ken Sagou, Yusuke Okuno, Hiroshi Kimura
    • 学会等名
      The 6th Workshop on Virus Dynamics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Epstein-BarrウイルスBNRF1の選択的スプライシングの同定と機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤栞里, 佐合健, 渡辺崇広, 佐藤好隆, 木村宏
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] IMPDH2の関わるEBVの生活環の解析2023

    • 著者名/発表者名
      杉本温子, 渡辺崇広, 柳裕介, 佐藤好隆, 奥野友介, 木村宏, 村田貴之
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Epstein-Barrウイルスの侵入から潜伏感染成立までの不均一性の理解2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤好隆, 村田貴之, 佐合健, 渡辺崇広, Bo Zhao, 木村宏, 奥野友介
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EBV感染細胞におけるIMPDH2発現の意義の解析2023

    • 著者名/発表者名
      杉本温子, 渡辺崇広, 柳裕介, 松岡和弘, 佐藤好隆, 奥野友介, 岩谷靖雅, 木村宏, 村田貴之
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] EBV陽性B細胞リンパ腫における腫瘍形成促進因子の同定2023

    • 著者名/発表者名
      佐合健, 佐藤好隆, 奥野友介, 渡辺崇広, 木村宏
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [産業財産権] 1,2,3-トリアゾール化合物および抗ウイルス剤2023

    • 発明者名
      喜多村徳昭, 佐藤好隆
    • 権利者名
      東海国立大学機構
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-078168
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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