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ペア型レセプターを介したヘルペスウイルスと免疫の攻防

研究課題

研究課題/領域番号 23K06564
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49060:ウイルス学関連
研究機関北里大学

研究代表者

末永 忠広  北里大学, 医学部, 教授 (20396675)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードグリコプロテイン / ペア型レセプター / 水痘帯状疱疹ウイルス / ヒトヘルペスウイルス6 / エントリー / 免疫細胞活性化 / 免疫細胞抑制化 / ヘルペスウイルス / 膜融合 / 免疫制御
研究開始時の研究の概要

水痘帯状疱疹ウイルスのエンベロープ分子gHが、ペア型レセプター分子VgHRと結合すること、ヒトヘルペスウイルス6型のエンベロープ分子複合体gH-gL-gQ1-gQ2が、ペア型レセプター分子HIRと結合することを見出した。本研究では、これらエンベロープ分子とペア型レセプターとの結合が、どのように感染に関与するかをエントリーと免疫細胞活性調節の観点から解析する。

研究実績の概要

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)のエンベロープ分子複合体gH-gLがペア型レセプター分子VgHRと結合することによって、ウイルスエンベロープと細胞膜の膜融合を促進することが明らかとなった。VgHR導入細胞はVZV感受性となり、抗VgHR抗体は、VgHR導入細胞へのVZVの感染すなわち侵入(エントリー)を阻害した。gH-gL複合体あるいはエントリーに必須なもう一つのエンベロープ分子gBと結合する他のペア型レセプターを同定するために、可溶型gH-gL、可溶型gBを合成した。
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)のエンベロープ分子複合体gH-gL-gQ1-gQ2(gHLQ12)が、ペア型レセプター分子HIRと結合することを見出し、その意義について解析した。HIRを導入した細胞はHHV-6感染抵抗性になり、逆にCRISPR-Cas9システ ムを用いて作出したHIR欠損培養細胞は感染感受性になった。また、gHLQ12はHIRと結合し、エントリーレセプターであるCD46とgHLQ12の結合によって誘導される膜融合を阻害することが明らかとなった。HIRの機能を解析するために、抗HIR抗体を作出および入手した。HIR導入細胞に可溶型gHLQ12との結合を阻害する抗体をスクリーニングした。
Alphafold 2を用いて、VZV gH-gL複合体とVgHRの結合、HHV-6 gHLQ12とHIRの結合を構造生物学的に解析を試みているが、後者は4量体とリガンドの結合であるため処理効率が低い。そこで、parallelfoldを導入し、計算機の処理能力を向上した。
HHV-6のgB, gH, gL, gQ1, gQ2以外の分子とHIR以外のペア型レセプターとの結合や機能を網羅的に探索するために、HHV-6ゲノム上にコードされる全遺伝子を哺乳細胞発現ベクターへクローニングを開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

VgHRとgHの結合、HHV-6 gHLQ12とHIRの結合の意義の一端を明らかにすることができた。その意義のメカニズムを構造学的にも明らかにすること、新たなVZV gB, gH、HHV-6 gHLQ12のリガンドを同定することなどは予定通り遂行する。

今後の研究の推進方策

VgHRとgHの結合、HHV-6 gHLQ12とHIRの結合がエントリーに関わる機能を解明したが、遺伝子導入細胞や欠損培養細胞での解析を行なったが、生理的意義を明らかにするために、初代培養細胞などを用いてのエントリー解析を行う。また、ペア型レセプターにおいて本来知られていた免疫応答への関連性はまだ明らかになっていない。VgHRとgHの結合、HHV-6 gHLQ12とHIRの結合における免疫細胞の機能を、サイトカイン産生や貪食機能、抗原提示機能をアウトプットに解析を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Topical Application of a PDE4 Inhibitor Ameliorates Atopic Dermatitis through Inhibition of Basophil IL-4 Production2024

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Kazufusa、Miyake Kensuke、Ito Junya、Shimamura Hinano、Suenaga Tadahiro、Karasuyama Hajime、Ohashi Kenichi
    • 雑誌名

      Journal of Investigative Dermatology

      巻: 144 号: 5 ページ: 1048-1057.e8

    • DOI

      10.1016/j.jid.2023.09.272

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 水痘帯状疱疹ウイルスglycoprotein Bと受容体結合の多様性2023

    • 著者名/発表者名
      末永忠広、森康子、錫谷達夫、荒瀬尚
    • 学会等名
      第36回ヘルペスウイルス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 水痘帯状疱疹ウイルスエントリーにおけるglycoprotein Bと受容体結合の解析2023

    • 著者名/発表者名
      末永忠広、森康子、錫谷達夫、荒瀬尚
    • 学会等名
      第70回日本ウイルス学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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