研究課題/領域番号 |
23K06585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石舟 智恵子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (80632645)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | Notchシグナル / 腸管上皮間リンパ球 / 多様性 / シングルセル解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、シングルセル解析技術の発展により、これまで単一と考えられていた免疫細胞集団の多様性が明らかになりつつある。小腸上皮間リンパ球 (IEL)は、CD8αホモダイマーを有するTCRβ+CD8αα+IELとTCRγδ+CD8αα+IEL (以下CD8ααIEL)が腸管の恒常性維持に重要な役割を担う。しかし、CD8ααIELの不均一性に加えて、病態や恒常性維持に関わる特別な機能を有するCD8ααIELが存在するかどうかは十分明らかではない。そこで、本研究はシングルセルレベルでのトランスクリプトーム解析から、NotchシグナルのIEL多様性獲得に関する分子制御機構を解明し、腸管の恒常性維持や、特定の疾患の制御に必要なIELサブセットとその機能の同定を目指す。
|
研究実績の概要 |
小腸上皮間リンパ球(IEL)の中でCD8αホモダイマーを有するCD8ααIELは腸管の恒常性維持に重要な役割を担う。しかしながら、CD8ααIELの不均一性や、腸管の病態制御や生理的機能に重要な役割を担うCD8ααIELが存在するかどうかは十分明らかではない。これまでの研究においてNotchシグナルがCD8ααIELの多様性制御に関与する手がかりを得たことから、本研究では近年、様々な細胞の多様性を見出す鍵となりつつあるシングルセル解析技術を用いてCD8ααIELの多様性がNotchシグナルにより制御される機構と、Notchシグナル依存性のCD8ααIELの機能について明らかにすることを目的としている。 今年度は、E8Iエンハンサー特異的にNotchシグナルを欠損するマウス(RbpjΔ8)のCD8ααIEL では、どのような分子発現やクロマチンアクセシビリティーを有するCD8ααIELが変化しているのかを解析するためのシングルセルATACシークエンス(scATAC-seq)解析について進め、サンプル調整・ライブラリー構築・シークエンス・データ処理を終えた。他方で、これまでに実験を完了したRbpjΔ8由来のTCRγδ型CD8ααIELを用いたシングルセルRNAシーケンス解析のデータ解析を進めたところ、TCRγδ型CD8ααIELは分子発現の違いによりいくつかのサブセットに分類できた。それらのサブセットがどのような分化様式や特徴を有しているのかを調べるために、TCRγδ型CD8ααIELのサブセットをセルソーターで分離し、試験管内で培養すると、それぞれに異なる細胞増殖性や可塑性を有することが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
scATAC-seq解析については、サンプル調整からシークエンス・データ処理まで、研究計画通り行うことができた。また、シングルセルRNAシーケンス解析のデータ解析と細胞の分離培養実験から、TCRγδ型CD8ααIELのサブセットについての特徴を捉えることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
scATAC-seq解析のデータ解析を進め、RbpjΔ8ではどのように分子発現やクロマチンアクセシビリティーを有するCD8ααIELが変化しているのかを解析する。また、シングルセル解析で見出したCD8ααIELの特徴や局在について解析するとともに、CD8ααIELの腸管の病態に関する機能を解析していく。
|