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超硫黄分子によるT細胞免疫応答制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K06592
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49070:免疫学関連
研究機関東北大学

研究代表者

石井 直人  東北大学, 医学系研究科, 教授 (60291267)

研究分担者 守田 匡伸  東北大学, 医学系研究科, 講師 (10519094)
河部 剛史  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50834652)
宗 孝紀  富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (60294964)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード超硫黄分子 / T細胞 / 炎症性腸疾患 / 超硫黄 / 免疫応答
研究開始時の研究の概要

ヒトをはじめとする哺乳類の生体内に複数個のイオウ原子が直鎖状に連結した構造物(以下、超硫黄分子)が豊富に存在することが明らかになり、さらに超硫黄分子がミトコンドリア電子伝達系においてエネルギー生成に利用されうること(イオウ呼吸の存在)が明らかにされた。また、超硫黄分子はイオウ呼吸/代謝の機能分子であるだけでなく、タンパク質のイオウ修飾にも関与することが示されつつある。このようにイオウ呼吸/代謝は新たな生命原理の発見として注目されている。そこで、本研究では、超硫黄分子産生酵素であるCARS2の遺伝子改変マウスを用いてT細胞免疫応答における超硫黄分子の役割を明らかにする。

研究実績の概要

最近、ヒトをはじめとする哺乳類の生体内に複数個のイオウ原子が直鎖状に連結した構造物(以下、超硫黄分子)が豊富に存在することが明らかになり[1]、さらに超硫黄分子がミトコンドリア電子伝達系においてNADH依存的にエネルギー生成に利用されうること(イオウ呼吸の存在)が赤池孝章博士らによって明らかにされた。超硫黄分子はイオウ呼吸/代謝の機能分子であるだけでなく、タンパク質のイオウ修飾にも関与することが示されつつある。このようにイオウ呼吸/代謝の研究は端緒が開かれたばかりであり、新たな生命原理の発見として注目されている。そこで、本研究では、超硫黄分子産生酵素であるCARS2の遺伝子改変マウスをT細胞依存的な免疫疾患モデルに適用し、T細胞免疫応答における超硫黄分子の役割を明らかにすることを目指す。そこで令和5年度は、超硫黄を合成する主要な酵素であるCARS2をヘテロ欠損させた遺伝子改変マウスおよびそのT細胞を用いて、T細胞の表現型と増殖・活性化能を検討した。なお、CARS2全欠損マウスは胎生致死であること、CARS2をヘテロ欠損T細胞では野生型T細胞に比し超硫黄分子量が半減することが示されている。解析の結果、CARS2ヘテロ欠損マウスでは、CD4陽性エフェクターT細胞数が野生型マウスに比し加齢とともに増加することが明らかになった。さらに、CARS2ヘテロ欠損CD4陽性T細胞をRAG2欠損マウスに移入しT細胞依存的炎症性腸疾患を惹起したところ、野生型T細胞移入群に比し、腸炎症状スコアの増悪と著明な体重減少が観察された。したがって、CARS2ヘテロ欠損によるT細胞内因性超硫黄の減少がT細胞依存的臓器炎症を増悪させる可能性が示唆された。次年度においてその分子マカニズムの解明を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

遺伝子改変マウスの準備やT細胞依存的炎症性腸疾患の実験系の確立など、当初予定していた実験のほとんどが遂行できた。また、その実験結果も予想通りであったことから、次に実施する実験も予定通りに遂行できる見込みである。以上から本研究は順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

CARS2ヘテロ欠損によるT細胞内因性超硫黄の減少がT細胞依存的臓器炎症を増悪させる可能性が示唆された。本仮説を証明するために、外因性超硫黄をマウスに投与することにより、超硫黄の減少が上記事象の原因であるかを直接的に証明する。さらに、T細胞内の超硫黄分子がどのようなメカニズムでT細胞の増殖や炎症性サイトカイン産生を制御するかを明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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