研究課題/領域番号 |
23K06617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
日暮 琢磨 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90622580)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 大腸癌 / オルガノイド / ロイコトリエン受容体拮抗薬 / 化学予防 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は全世界的に増加傾向であり、早急な対策が求められる。大腸癌の予防法は、今後一次予防へシフトしていく必要があり、化学予防が注目されている。喘息やアレルギー性鼻炎の治療として用いられるロイコトリエン受容体拮抗薬は、疫学研究により使用者の癌発生が少ないことが報告されており、化学予防薬としての候補と考えられているが、その詳細な機序は不明である。そこで今回、我々はロイコトリエン受容体拮抗薬が大腸癌の発生/増大に与える影響について大腸オルガノイドを用いて研究する。オルガノイドを用いることでこれまでの大腸癌細胞株実験における問題を解決して実際の生体内で起きている現象を解析することが可能となる。
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研究実績の概要 |
2023年度は、大腸癌患者より内視鏡検査で大腸癌細胞を採取し、大腸癌オルガノイドを作成した。大腸癌オルガノイドは患者毎に性質が異なるため、幅広く解析を行う目的で、現在5株を樹立している。今後は10株程度まで増やして、解析を行う予定である。 作成したオルガノイドを用いて、LTRAを投与し、細胞増殖を抑制する濃度を設定するための予備実験を開始した。濃度x以上(unpublish data)で細胞増殖を抑制することが判明したため、今後はその濃度で細胞増殖に対しての作用を確認していく。 ロイコトリエン(LT)の合成経路としては、白血球などの細胞が刺激を受けると、ホスホリパーゼ A2が活性化され、核膜リン脂質よりアラキドン酸が遊離される。アラキドン酸は5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)により提示され5-リポキシゲナーゼの作用により LTA4が合成される.LTA4はさらにロイコトリエンC4合成酵素によりグルタチオンを付加されLTC4となる。LTC4は ATP 依存的に細胞外に放出され、そこでさらに LTD4、LTE4へと代謝される。喘息やアレルギー疾患ではこの各種LTが、Cysteinyl leukotriene 1 receptor (CysLT1R)とCysLT2Rを介して作用し、局所でのプロスタグランディンE2(PGE2)の合成を行い、また平滑筋の収縮を促進することが病態の中心となっている。一方で、大腸においては、CysLT1RとCysLT2Rは大腸上皮にも存在し、大腸癌になると発現が増加することが報告されている。現在、CysLT2Rの経路について解析を行っている。 また大腸癌に対しての投与濃度設定が完了したので、現在、大腸腺腫、正常大腸上皮に対する投与濃度を設定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展している
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、大腸癌に対するLTRAの抗腫瘍効果の機序解析および、腺腫、正常上皮に対する影響の解析を進めていく。
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