研究課題/領域番号 |
23K06618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小林 崇平 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (90846940)
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研究分担者 |
星野 忠次 千葉大学, 大学院薬学研究院, 准教授 (90257220)
松下 一之 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (90344994)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | mTORシグナリング経路 / 新規動態解析 / 抗がん剤開発 / 分子標的マーカー / 悪性腫瘍 / 臨床検査 / 抗体医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
世界では新たな分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場とそのカクテル療法による短期間で効果的ながん治療戦略が展開される中、日本は使用可能な抗がん剤が少なく後塵を拝している。理由は標的分子の正確な生体/細胞内機能およびそれに起因する副反応の解析不足による。申請者らは癌化や細胞増殖に重要なc-Mycの過剰発現の原因にFIRの機能異常(FIRΔexon2)を見出した。そこで本研究はc-Myc発現を調整するFIRやFIRΔexon2の制御下にあるmTORシグナリング経路を中心に細胞の増殖分化および癌化に関わる機能を解明しターニングポイントとなる新規標的分子の探索から新規治療法の開発につなげる。
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研究実績の概要 |
米国FDAや欧州EMAで承認され、日本で未承認の抗がん剤は65剤もある。世界では、新た な分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場とそのカクテル療法による短期間で効果的ながん治療戦略が展開される中、日本は使用可能な抗がん剤が少なく後塵を拝している。理由は標的分子の正確な生体/細胞内機能(signaling pathway含む)およびそれに起因する副反応の解析不足による。申請者らは、癌化や細胞増殖に重要なc-myc遺伝子の転写抑制因子FIR(Far-upstream element-binding protein-interacting repressor)に着目し、癌細胞内のc-Myc過剰発現の原因にFIRの機能異常(FIRΔexon2)を見出した。 そこで、本研究はc-Myc発現を調整するFIRやFIRΔexon2の制御下にあるmTORシグナリング経路を中心に、細胞の増殖・分化および癌化に関わる機能を解明し、ターニングポイントとなる新規標的分子(遺伝子)の探索から新規治療法の開発につなげる。 本研究は次世代型分子標的治療薬の創出のみならず副反応予測を視野にコンパニオン診断キットの開発も目指す。本研究の特色は分子生物学的メカニズムの解明のみだけではなく、診断・治療法まで開発できる点である。ゆえに、PI3K/Akt/mTOR経路をFIR familyを介して新規機能を解明し、がんにおける細胞増殖の制御機構を理解することを目的とする。 一方で、我々は不安定な構造を持つFIRΔexon2のアミノ末端に対するモノクローナル抗体を作製した。現在では更なる感度を高めるべく改良中である。感度の良い精製されたターゲットモノクローナル抗体ができればサンドイッチELISA系を確立し関連したコンパニオン診断薬候補となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は現在、PI3K/Akt/mTOR経路をFIR familyを介して新規機能の解明や診断におけるバイオマーカー探索を行っている。その中、大腸がん患者血清におけるFIR/FIRΔexon2に対する自己抗体論文が掲載された。 また、PI3K/Akt/mTOR経路をFIR familyを介して新規機能の解明とFIRやFIRΔexon2関連阻害薬の薬物効果において、分子生物学的検証を行うにあたり、これまでの研究から、直接的分子の特定が絞れている。従って、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではFIRおよびFIRΔexon2の機能を阻害する低分子化合物BK697等を用いた病態モデル動物でのPOC(Proof Of Concept)取得や特異抗体の作製とELISAキットの作製によるコンパニオン診断薬候補として開発を目指している。FIRやFIRΔexon2の増減で変化する細胞増殖パスウェイのmTORシグナリング経路を調べ、細胞の分化や癌化における新規機能や新規ターゲット遺伝子を探索し、治療法の開発につなげることを目的とする。 すでにBK697がヒト肝臓癌細胞の増殖を抑制していることを見出しているが、分子生物学的薬理作用を調べたものではない。そこで本研究では、FIRやFIRΔexon2の発現がPI3K/Akt/mTOR経路などにどのような影響を与えるか、またFIRやFIRΔexon2関連阻害薬の薬物効果を詳細に調べる。現在、PI3K/Akt/mTOR経路をFIR familyを介して新規機能の解明の直接的分子が特定した。 今後は、PI3K/Akt/mTOR経路をFIR familyを介した機能の直接的分子の同定と低分子化合物BK697の分子生物学的薬理作用を解明する。
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