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染色体の核内配置編集による染色体転座の発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06619
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関藤田医科大学

研究代表者

河村 理恵  藤田医科大学, 医科学研究センター, 助教 (20735534)

研究分担者 稲垣 秀人  藤田医科大学, 医科学研究センター, 講師 (70308849)
倉橋 浩樹  藤田医科大学, 医科学研究センター, 教授 (30243215)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード染色体配置 / ゲノム編集 / 染色体配置編集 / 核内配置編集 / 染色体再構成 / 核内トポロジー
研究開始時の研究の概要

染色体転座は、不妊やがん・白血病などの様々な疾患に関与している。転座は異なる2本の染色体に切断が起こり、その断片が誤って他方に結合することで形成される。しかし、詳しい分子メカニズムはまだ不明で、特に細胞核内において、染色体がどのようなふるまいをして転座が形成されるのか、その動的ダイナミクスはよくわかっていない。そこで本研究では、染色体の核内配置を編集して染色体転座を誘発し、染色体配置と転座発生頻度を解析することで、転座の発生機序の解明を目指す。また、転座により核内トポロジーが変化することが予測されるので、異常な遺伝子発現がどのような表現型に結びつくのかも明らかにする。

研究実績の概要

本研究では染色体配置と転座形成の関連性を明らかにするために、ゲノム編集技術を用いて染色体の核内配置を人工的に操作・編集するモデルシステムを構築すること、さらに人工的に転座を発生させ、核内での距離と転座発生頻度を解析し、転座の発生機序が染色体の核内配置に直接影響を受けているのかを明らかにすることを目的としている。この染色体配置編集には、細胞内でゲノム中の任意の場所に可逆的かつ誘導性のクロマチンループ構造を人工的に形成できるツールを応用する。

2023年度は、CRISPR/Cas12aによる標的部位を切断する手法とCRISPR/dCas9を用いた染色体配置を人工的に近づける手法に用いるgRNAの設計や、両手法がそれぞれワークするかの実験条件を検討した。CRISPR/Cas12aによる切断系では、CRISPRデータベースを参考にヒトX染色体上の複数箇所にCas12a gRNAを設計した。それぞれのgRNAの切断効率をin vitro assayにて確認し、切断効率の良いものを選択した。CRISPR/dCas9による染色体配置を人工的に近づける系では、Streptococcus pyogenesに由来するdCas9(Sp-dCas9)とStaphylococcus aureusに由来するdCas9(Sa-dCas9)を用いており、それぞれに対応した配列のgRNAを検討した。染色体配置の編集効率を良くするために、X染色体に特異的なリピート配列を標的にすることとし、データベースと文献からX染色体に特異的なリピート配列を検索し、Xp21.2とXq23にgRNAを設計した。gRNAの編集効率を評価するために、Sp-Cas9とSa-Cas9によるin vitro assayを組み立て、標的部位に作用するかを確認した。次に、切断系と染色体配置を人工的に近づける系とを同時に行う手法へと進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

gRNAの設計、クローニング、in vitro assayによる編集効率の評価に時間を要した。様々なクローニング手法を試したため、時間がかかった。また、in vitro assayでは、CRISPR/Cas12aやCRISPR/Sp-Cas9は確立されているが、CRISPR/Sa-dCas9については、gRNAの作成からin vitro assayまでを自分で設計する必要があったため、特に時間を要した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2023年度に引き続き、染色体配置を人工的に操作・編集するモデルシステムの構築を進める。さらに、転座発生が染色体の核内配置に直接影響を受けているのかを明らかにするために、構築したモデルシステムを用いて、人工的に転座を発生させ、核内での距離と転座発生頻度を解析する。転座発生頻度は、細胞コロニーのカウント、転座特異的PCRやデジタルPCR、間期核FISHで解析し、近接誘導しないコントロール細胞と比較することにより、転座発生が近接度合いに直接影響を受けるか否かを検討する。これにより、転座の発生機序を染色体の核内配置の視点から明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Presence of small 21p-21p chromosome in mosaic rob(21;21) carrier2023

    • 著者名/発表者名
      Rie Kawamura, Ikumi Moriyama, Shunsaku Fujii, Takeshi Iwasa, Akira Kuwahara, Minoru Irahara, Ei Yuzawa, Hiroki Kurahashi
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会 第68回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 全ゲノムシークエンスで同定されたエンハンサー領域欠失によるOTC欠損症の1例2023

    • 著者名/発表者名
      河村理恵,中島葉子,稲垣秀人,七里由衣,村瀬悠理,倉橋浩樹
    • 学会等名
      第46回日本小児遺伝学会 学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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