研究課題/領域番号 |
23K06625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
今川 佑介 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 主任研究員 (20614770)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | プログラム細胞死 / 骨肉腫 / Alkaliptosis / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、多くのネクローシス型の制御された細胞死が報告されており、研究代表者もいくつかの新たな細胞死機構を報告している。既存の細胞障害性抗がん剤や放射線療法はがん細胞に主にアポトーシスを誘導することで、がんを治療するが、有効な治療法のないがん種や既存の抗がん剤に抵抗性を持つがんも多く存在し、これらの多くはアポトーシスに耐性を持つ。これらの難治性がんに対して制御されたネクローシス型細胞死を誘導することは、がんの新たな治療戦略として有効であると考えられる。そこで本研究では、有効な治療法がない希少がんの一つである骨肉腫にフォーカスし、ネクローシス型細胞死の制御機構を利用した新たな治療法を開発を目指す。
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研究実績の概要 |
近年、多くの非アポトーシス型(ネクローシス型)の制御された細胞死が報告されており、研究代表者もいくつかの新たな細胞死機構を同定し報告している。既存の細胞障害性抗がん剤や放射線療法はがん細胞に主にアポトーシスを誘導することで、がんを治療する。しかし、有効な治療法のないがん種や既存の抗がん剤に抵抗性を持つがんも多く存在し、これらの多くはアポトーシスに耐性を持つ。これらの難治性がんに対して制御されたネクローシス型細胞死を誘導することは、がんの新たな治療戦略として有効であると考えられる。そこで本研究では、有効な治療法がない希少がんの一つである骨肉腫にフォーカスし、研究代表者が同定した細胞死の誘導剤を含む種々の細胞死誘導剤の中から骨肉腫細胞に対して高い細胞死誘導能を示す化合物を探索し、その化合物が骨肉腫に対して高い殺細胞性を示す分子メカニズムを同定することで、骨肉腫に有効な新たな治療法につなげることを目的としている。 今年度はまず、種々の骨肉腫由来培養細胞株に対して強い細胞死誘導活性を示す細胞死誘導剤を同定し、その中からalkaliptosisと呼ばれる細胞死の誘導剤に着目し詳細な解析を行なった。Alkaliptosisの誘導剤が正常細胞や他のがん細胞と比較して骨肉腫細胞特異的に細胞死を誘導するのか、種々のがん細胞株および正常細胞株との比較解析を行った結果、alkaliptosisの誘導剤は骨肉腫を含む間葉系のがん細胞に対して強い細胞死誘導活性を示すことが示唆された。 さらに、ヒト骨肉腫細胞を移植したxenograftモデルを用いて、alkaliptosisの誘導剤が生体内においても高い抗骨肉腫活性を示すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画にしたがい、骨肉腫に対して高い細胞死誘導活性を示す細胞死誘導剤を同定し、さらに、この誘導剤に感受性の異なるがん細胞株の遺伝子発現プロファイルから、この誘導剤に感受性を示す細胞の特徴を明らかにした。加えて、xenograftモデル用いた解析から、この誘導剤が生体内においても高い抗骨肉腫活性を示すことも明らかにしており、本研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、骨肉腫細胞におけるalkaliptosis誘導剤による細胞死の分子メカニズムをCrispr/Cas9システムを用いたノックアウトスクリーニングなどにより解明し、alkaliptosis誘導剤の骨肉腫細胞における標的分子や細胞死を制御するキーファクターを明らかにする。 また、他に同定している細胞死経路についてもalkaliptosisと同様に解析を行い、より骨肉腫の治療に高い有効性が認められる細胞死経路を明らかにする。
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