研究課題/領域番号 |
23K06643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
白澤 専二 福岡大学, 医学部, 教授 (10253535)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ZFAT / 細胞周期 / DNAダメージ修復 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / 癌 / ゲノム制御 / DNA損傷修復 |
研究開始時の研究の概要 |
ZFATは18個の亜鉛フィンガードメインを有するDNA結合タンパク質である。申請者は、ZFAT発現抑制により、細胞周期がG1期で停止すること、およびDNAダメージが蓄積することを見出した。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後生存率がZFATの遺伝子異常により著しく低下することが報告され、ZFATがB細胞の癌化に関係することが示唆された。本研究により細胞周期およびDNA損傷修復におけるZFATによる制御メカニズムが解明され、DLBCLとの関連性が明らかにされることにより、DLBCL発症メカニズムの理解や治療法開発のための分子基盤の構築が進み、新研究領域の創成に貢献できる。
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研究実績の概要 |
ZFATは高度に保存された18個のZincフィンガードメインを有するDNA結合タンパク質である。ZFATは特定の遺伝子のプロモーター領域に結合し、そのmRNA転写を制御するとともに、セントロメアにおけるノンコーディングRNAの転写を制御する。本研究では、ZFAT発現抑制による細胞周期停止およびDNAダメージ蓄積のメカニズムを解明することにより、ZFATによるゲノム制御機構を明らかにすること、ならびにZFATの遺伝子異常によるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後生存率低下の機序を明らかにすることを目的とする。 2023年度には、ZFATのChIP-seq解析、およびZFAT発現抑制細胞におけるRNA-seq解析を施行し、ZFATが直接発現を制御し、細胞周期制御、またはDNAダメージ修復に関わる複数の遺伝子を同定した。現在、これらのZFAT標的遺伝子の機能解析を進めている。 また、DLBCL細胞におけるZFATの機能解明においては、ヒトDLBCL細胞株であるSUDHL-4、Pfeiifer、Toledo細胞において、これまで知られていた190kDa以外に、複数のZFATアイソフォームが発現し、細胞株ごとにその発現パターンに違いがあることが明らかとなった。これらの細胞株において、レンチウィルス感染系を確立し、ドキシサイクリン誘導型Cas9ヌクレアーゼとsgRNA発現によるZFAT発現抑制細胞株を樹立した。SUDHL-4およびPfeiifer細胞ではZFAT発現低下により細胞増殖が抑制されたが、Toledo細胞ではZFAT発現低下は細胞増殖速度に影響を与えなかった。ZFATアイソフォームの発現パターンとZFAT発現抑制による細胞増殖への影響に関連があることが示唆された。これらのDLBCL細胞株においてZFATの生理的役割が異なっている可能性が示唆され、解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画初年度において、細胞周期制御、またはDNAダメージ修復に関わる複数のZFAT標的遺伝子を同定することができた。これらの知見は、ZFATが転写制御因子として、細胞周期、ならびにDNAダメージ修復に重要な役割を果たしていることを示唆するものである。 また、ZFAT発現低下がSUDHL-4およびPfeiffer細胞の細胞増殖を抑制したことは、DLBCL細胞におけるZFATの機能的重要性を示唆するものであり、その意義は大きいと考える。 これらのことから本研究課題は、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画初年度に同定したZFAT標的遺伝子のなかには、これまでに機能が調べられていない因子も複数含まれているので、これらの遺伝子のZFATによる発現制御の詳細な分子メカニズム、および生理的重要性を明らかにしていく。また、ZFATは転写制御因子以外の機能を有することも明らかにされていることから、転写制御を介さない細胞周期制御およびDNAダメージ修復へのZFATの関与についても検討を進めていく。 DLBCL細胞株におけるZFAT発現低下による細胞増殖抑制の機序について、アポトーシス、細胞周期、DNAダメージ修復の視点から、検討を進めていく。また、ヒトDLBCL患者において同定されたZFAT遺伝子変異を導入したDLBCL細胞株を樹立し、その影響を明らかにする。
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