研究課題/領域番号 |
23K06649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中井 慈人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40912027)
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研究分担者 |
西塔 拓郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20646468)
和田 尚 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任教授(常勤) (70243459)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CCL1発現細胞 / CCR8発現細胞 / ISH法 / 制御性T細胞 / 腫瘍免疫環境 / CCR8 / CCL1 |
研究開始時の研究の概要 |
Treg制御は抗腫瘍免疫増強の鍵になるが、現在Treg制御の治療薬は確立されていない。我々はCCR8が腫瘍内の活性型Tregにのみ発現することを明らかにし、Treg制御を期待した抗CCR8抗体薬の治験が開始されてた。今回CCR8のリガンドであるCCL1に注目した。CCL1はCCR8陽性Tregを腫瘍へ誘導するとされるが、悪性腫瘍におけるCCL1発現細胞や発現頻度は明らかでない。本研究では悪性腫瘍においてCCL1発現を解析しCCL1によるCCR8陽性Tregの腫瘍誘導メカニズムを明らかにすることで、抗CCR8抗体薬の治療対象癌腫を明らかにし、さらにはCCL1制御による新規治療法の開発を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、悪性腫瘍におけるCCL1発現を解析し、CCL1によるCCR8陽性Tregの腫瘍誘導メカニズムを明らかにすることである。令和5年度の研究計画としては、切除悪性腫瘍サンプルを用いたCCL1・CCR8発現細胞を評価することであり、種々のヒト悪性腫瘍(食道癌・胃癌・大腸癌・卵巣癌・膀胱癌・腎癌)におけるCCR8とCCL1発現細胞の位置・数の関係を評価し、CCR8・CCL1が豊富に発現する癌腫を明らかにする計画であった。方法として、まずは、各悪性腫瘍切除サンプルのパラフィン包埋標本(FFPE)より薄切スライドを作成し、In situ hybridization(ISH法)を実施した。大腸癌14例、食道癌6例、胃癌7例、卵巣癌6例を対象とし、カウント方法は、CCL1は腫瘍部(全視野)でCCL1陽性細胞数をカウントし、HE染色にて腫瘍面積を測定し、腫瘍単位面積あたりのCCL1陽性細胞数を評価した。また、CCR8は200倍率の視野で、hot spot 5視野を選択し、CCR8陽性細胞数をカウントし、CCR8陽性細胞数を評価した。すると、CCL1発現細胞数とCCR8発現細胞数は正の相関を認めた(相関係数;0.6768)。また、同時に各悪性腫瘍切除サンプルのパラフィン包埋標本(FFPE)より薄切スライドを作成し、免疫染色法(IHC法)を用いて腫瘍組織内でのCCR8・CCL1の単位面積当たりの発現細胞数を評価する計画をしている。現状、CCL1について条件設定が終了し、PreliminaryなIHC法の結果では、大腸癌の間質において、免疫細胞の細胞質で、CCL1が染色された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、大腸癌、食道癌、胃癌、卵巣癌の腫瘍切除サンプルのパラフィン包埋標本(FFPE)より薄切スライドを作成し、In situ hybridization(ISH法)を実施したことで、CCL1発現細胞数とCCR8発現細胞数は正の相関を認めた(相関係数;0.6768)。しかしながら、CCL1を発現する細胞を同定することができなかったために、Flowcytometry(FACS)解析においてmRNA発現が検出できるPrime Flow法を用いて、解析していく。
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