研究課題/領域番号 |
23K06653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三好 圭 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70755272)
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研究分担者 |
佐田 政史 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783508)
森山 大樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70586859)
永吉 絹子 九州大学, 大学病院, 助教 (90761015)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵癌 / 樹状細胞(DC) / CRISPR-Cas9 / Genom wide screening / 免疫療法 / 癌微小環境 / 免疫微小環境 / 樹状細胞 / ゲノムワイドスクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌では腫瘍内に浸潤する樹状細胞(DC)が少なく、膵癌特有の抑制性の免疫微小環境が膵癌に対する免疫療法の大きな障壁となっている。近年、抗PD-1/PD-L1療法の作用機序として、癌細胞に発現するPD-L1よりも、DCが発現するPD-L1により強く働きかけ、DCを直接活性化していることが明らかになった。つまり、DCの遊走能や抗原提示能を直接活性化する治療は、免疫チェックポイント阻害剤と並ぶ抗腫瘍効果をもたらす可能性があり、膵癌特有の抑制性免疫微小環境を打破する可能性を秘めている。本研究では、ゲノムワイドスクリーニングを用いてDCの活性化を促す標的を探索し、新規免疫療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
膵癌の特徴に抑制性の免疫微小環境があり、その1つとして、膵癌では腫瘍内に浸潤する樹状細胞が少なく、機能も抑制されていることがあげられる。そのため、腫瘍内へのDCの遊走と抗原提示能を活性化することが、膵癌の治療効果改善になると考え、DCを活性化するためのCRISPRスクリーニングを考案した。 【1.in vitroの共培養アッセイを用いたスクリーニング】 以前より当研究室ではDCとKPCマウス由来膵癌細胞の共培養実験でDCが活性化し、MHC classI/IIや共刺激因子の発現が亢進することを確認している。Cas9を導入したDCにCRISPRsgRNAのノックアウトライブラリーを挿入し、KPCマウス由来膵癌細胞と共培養する。活性が亢進したDCをソーティングすることで、コントロールと比較しDCの活性化を誘導する遺伝子を同定した。DCに先立ち現在癌細胞にCas9導入を問題なく行えている。 【2.in vivoでのスクリーニング】 皮下移植モデルにGFPを導入したDCを腫瘍内に局注すると、一部活性化したGFP陽性DCが脾臓及びリンパ節に遊走することを確認した。このモデルをCRISPRsgRNA導入したDCで行うことで、コントロールと比較し、in vivoでのDCの遊走能、抗原提示能の上昇を誘導する遺伝子を同定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Cas9を導入し細胞の作製する技術を確立した。今後はDCに導入し、in vitroでのスクリーニングを行っていく。また、in vivoでは腫瘍内に局注したDCが活性化し脾臓及びリンパ節に遊走していることを確認した。これを、CRISPRsgRNAを導入したDCで行うことでDCの抗原提示能、遊走能に関わる遺伝子を同定する。
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今後の研究の推進方策 |
今後はin vitro及びin vivoでのCRISPR-Cas9スクリーニング実験を進め、DCの活性化、遊走能に関わる遺伝子を同定する。それにより得られた候補遺伝子を実際にCRISPR-Cas9でノックアウト、もしくは抗体などで処理したDCを作成する。そのDCをin vivoで癌細胞と共培養した際に、DCの共刺激因子やMHC classI/IIがコントロールと比較して変化するかを検証する。またこれらのDCをT細胞と共培養した際に、T細胞の増殖能に変化があるか、IFNγ、TNFαの上昇があるかを検証する。 またin vivoでは候補遺伝子をノックアウトしたDCを腫瘍内に局注し、コントロールと比較して腫瘍縮小効果を認めるかを検証する。また腫瘍内、脾臓、リンパ節からDCを抽出し、共刺激因子、MHC classI/IIの発現を評価する。 最終的には候補遺伝子を標的とした阻害剤や抗体を同所移植モデルに投与することで、新規治療法となりうるかを検証する。
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