研究課題/領域番号 |
23K06690
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高見 真理子 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (60770906)
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研究分担者 |
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60345022)
鈴木 秀海 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (60422226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | NKT細胞 / 二重特異性抗体 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、HER2/CD3二重特異性抗体(BsAb)がNKT細胞と腫瘍を近接させNKT細胞の抗腫瘍効果を増強するという仮説を検討する。さらに、現行のNKT細胞療法と、HER2/CD3 BsAbの併用療法を開発するため以下の研究を期間内に行う。 ①In vitroでのHER2/CD3 BsAbがNKT細胞の抗腫瘍効果に与える影響及びそのメカニズム解析 ②HER2/CD3 BsAb投与によるNKT細胞療法との併用療法の有効性及びエビデンスの構築
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研究実績の概要 |
本研究では、肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫療法の有効性の向上のため、HER2/CD3二重特異性抗体(BsAb)がNKT細胞と腫瘍を近接させNKT細胞の抗腫瘍効果を増強するという仮説を検討した。さらに、現行のNKT細胞療法と、HER2/CD3 BsAbの併用療法を開発するため、in vitroでのHER2/CD3 BsAbがNKT細胞の抗腫瘍効果に与える影響及びそのメカニズム解析を行った。予備実験で使用した肺癌細胞株A549細胞以外の肺癌細胞株H460、PC13、Calu3細胞もHER2を発現することを確認した。HER2/CD3 BsAbを付着させてNKT細胞は、H460、PC13、Calu3細胞に対して脱顆粒し、細胞傷害活性を発揮すると共に、IFN-γ、TNF-αのサイトカインを産生することを明らかにした。また、HER2/CD3 BsAbの存在下でNKT細胞がA549細胞に対し、脱顆粒を誘導するシグナル伝達の解析をフローサイトメトリーにて行った。NK細胞が脱顆粒する際に必要とされると報告されているErkシグナルにおいて、BsAbの存在下のみでErkのリン酸化が確認されておりErkシグナルが活性化されていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroでのHER2/CD3 BsAbがNKT細胞の抗腫瘍効果に与える影響をin vitroで検討し、一定の効果をあげた。NKT細胞が様々なHER2陽性の肺癌腫瘍株に対し、細胞傷害活性を発揮し、サイトカインを産生することを明らかにした。また、NKT細胞が肺癌細胞株に対して細胞傷害活性を発揮するために必要なシグナル伝達経路として、NK細胞レセプターの一つであるDNAM1が関与することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、HER2/CD3 BsAb投与によるNKT細胞療法との併用療法の有効性及びエビデンスの構築としてin vivoでのNKT細胞療法とHER2/CD3 BsAb投与の併用がNKT細胞の抗腫瘍効果に与える影響の検討を行う。また、肺癌患者検体より分離した腫瘍細胞および正常部位から単離した上皮細胞を用いて、HER2/CD3 BsAbを付着させたNKT細胞が腫瘍特異的に抗腫瘍効果を発揮するかの評価を合わせて行っていく。
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