研究課題/領域番号 |
23K06696
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内藤 祐二朗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30800982)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / セマフォリン / バイオマーカー / T細胞 / 免疫チェックポイント阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、がん治療において大きな革新をもたらした。しかし、ICIが臨床的に有効な患者はごく一部であり、ICIの反応性を予測するバイオマーカー(BM)とその有効性を高める新規治療法の開発が急務である。 申請者は、腫瘍に発現するSemaphorin4A(Sema4A)が腫瘍局所においてCD8陽性T細胞を活性化し、その発現が抗PD-1抗体の治療効果と相関することを見出した。そこで、Sema4AがICIの効果を予測するBMとなるかの検証を行うとともに、Sema4AがCD8陽性T細胞を活性化するメカニズムを探索し、がん免疫療法の有効性を高める新規治療法の開発に挑戦する。
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研究実績の概要 |
①神経ガイダンス因子の一つであるセマフォリン4Aが、がん微小環境において抗腫瘍リンパ球を活性化するメカニズムの一端として、リンパ球内部の代謝変化(細胞内ポリアミン合成の促進)をもたらす事を見出した。また、リンパ球上のT細胞受容体発現制御に影響を及ぼす事も見出しており、そのメカニズムをさらに追及するための実験系の構築(細胞株の作成や顕微鏡観察の条件検討)を進めている。 ②免疫チェックポイント阻害薬の効果を予測するバイオマーカーとしての有用性を検証するため、大阪大学医学部附属病院とその関連施設において免疫チェックポイント阻害薬を投与した肺癌患者の腫瘍検体を多数収集した。腫瘍におけるセマフォリン4Aの発現を免疫染色にて評価し、実臨床における治療効果との相関を検証する予定である。 ③マウスの担癌モデルにおいて、リコンビナントセマフォリン4A蛋白静脈内投与が抗PD-1抗体の治療効果を高める事は検証済みであるが、最も有用な投与経路を確立するため、担癌マウスモデルを用いて腫瘍内投与の有用性を検証している。 ④腫瘍環境にセマフォリンを誘導する治療方法が有用であるかを検証するため、担癌マウスモデルにおいてTet-onシステムを用いて腫瘍細胞にセマフォリン4Aを誘導する実験系を確立する予定である。現在のところ、実験系に必要な細胞株の作成を進めている。細胞株の作成が完了すれば、引き続いてマウスへの投与・治療実験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの経過に継続して研究を行っており、おおむね想定通りと考える
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今後の研究の推進方策 |
概要に記した通り、引き続き現在の研究計画に沿って検証を進める予定である。
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