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Pit-NETにおけるsmall RNAを用いた診断バイオマーカーの確立と核酸医薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K06697
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関広島大学

研究代表者

木下 康之  広島大学, 病院(医), 講師 (90750993)

研究分担者 田原 栄俊  広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (00271065)
山崎 文之  広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (60444692)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードmRNA / Pit-NET / 診断バイオマーカー / pituitary adenoma / small RNA / 核酸医薬 / 下垂体腺腫
研究開始時の研究の概要

脳腫瘍の中では下垂体腺腫は3番目に多く、脳ドックなども含めよく耳にすることがある腫瘍です。大半は良性腫瘍ですが、時々周りの正常組織を大きく巻き込んでしまったり、重篤な症状を出す、臨床的に「悪性」というべき腫瘍もあります。良性腫瘍と思って経過観察したら意外と悪くなった、ネットの記事を読むと私の腫瘍は良性腫瘍のはずなのにとても悪いことをお医者さんから言われた、などと悩むこともあると思います。私たちは最近よく耳にすることが多いRNAの一種を摘出した腫瘍種間の違いを調べ、血液を調べるだけで腫瘍の悪性度が分かるかどうか、また腫瘍の進行を制御したり大きさを小さくするような治療薬が作れないかを研究します。

研究実績の概要

本年度の研究期間において、292症例の非機能性神経下垂体内分泌腫瘍(Pit-NET)の患者の再分類を行った。PIt-NETは2022年から下垂体腺腫からPit-NETへと名称変更が推奨された。また、2017年の改訂から推奨されていた転写因子による分類はほぼ必須となった。したがって、Pit-NETの分類には転写因子を全例で染める必要があり、本研究の第一歩はこれまでの当院での症例を新基準に則って分類をしなおすことであった。WHO2022の改訂に沿って、Pit-1、GATA3という既存の転写因子に加え、新たにT-PIT抗体を購入し、染色を追加した。その上で、再分類したPIt-NETをさらに臨床所見と画像所見を交えて解析し、Invasveな腫瘍と転写因子の関連性を見出した(Taguchi A, Kinoshita Y. Neurosurg Rev. 2023;46:317)。分子遺伝学的な側面と臨床的な側面の関連性を明らかにしたものである。
ついで、本研究の一つの重要な目標である「難治の腫瘍マーカーを見つける」ため、その中から、InvasiveなNull cell tumorとInvasiveではないGonadotroph tumorを5個ずつ選択し、凍結検体からmRNAを抽出し、保存することができた。48検体まで一括でRNAシーケンス可能であることから、もう少し症例を追加し、解析を待機している状態である。
また、最近ではNull cell tumorは転写因子やホルモンが染まりにくいのみで厳密には存在しない可能性が報告されている。今後分子遺伝学的な評価がより重要視されることが予測される。したがって、昨年度に新たにPit-NETと診断した40症例の検体を-80度で凍結保存し、それぞれホルモン分泌が確認された腫瘍、転写因子のみが確認された腫瘍、Null cell tumorであった腫瘍を同様にmRNAの抽出を行う予定としている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、過去のPit-NET症例の免疫染色を終え、再分類が終了した。今後も手術症例を蓄積し、同様に分類していく。RNAの抽出も10症例まで終了し、保存することができている。臨床的にInvasivenessを示す腫瘍の数はそこまで多くないため、10症例にとどまっている。

今後の研究の推進方策

診断基準についてはまだまだ議論されている部分も多いため、新たにP53の免疫染色も追加することとした。また、Null cell tumorは詳細な検討すると存在しない可能性がある、という報告(前述)もなされている。これらについてもNull cell tumorとホルモン分泌はないが転写因子は染まる腫瘍、そしてそれ以外の腫瘍のmRNAをそれぞれ比較し、検討をすすめていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Differences in invasiveness and recurrence rate among nonfunctioning pituitary neuroendocrine tumors depending on tumor subtype2023

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Akira、Kinoshita Yasuyuki、Amatya Vishwa Jeet、Onishi Shumpei、Go Yukari、Tominaga Atsushi、Takeshima Yukio、Yamasaki Fumiyuki、Horie Nobutaka
    • 雑誌名

      Neurosurgical Review

      巻: 46 号: 1 ページ: 317-317

    • DOI

      10.1007/s10143-023-02234-7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インスリン低血糖負荷試験における低血糖負荷不十分の予測因子2024

    • 著者名/発表者名
      田口 慧、木下 康之、大西 俊平、米澤 潮、山崎 文之、堀江 信貴
    • 学会等名
      第34回一般社団法人日本間脳下垂体腫瘍学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非機能性Pit-NETのsubtypeにおける臨床的悪性度の違い2023

    • 著者名/発表者名
      田口 慧,木下康之 ,Amatya Vishwa Jeet,大西俊平,郷ゆかり,富永篤,武島幸男,山崎文之,堀江信貴
    • 学会等名
      一般社団法人日本脳神経外科学会 第82回学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インスリン低血糖負荷試験における低血糖負荷不十分の予測因子2023

    • 著者名/発表者名
      田口 慧、木下 康之、大西 俊平、米澤 潮、山崎 文之、堀江 信貴
    • 学会等名
      第33回臨床代謝内分泌Update
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 内視鏡下経鼻経蝶形骨洞手術後の蝶形骨洞炎と予防のための自然孔開大処置の追加2023

    • 著者名/発表者名
      田口 慧、木下康之、大西俊平、山崎文之、堀江信貴
    • 学会等名
      第30回一般社団法人日本神経内視鏡学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] インスリン低血糖負荷試験における低血糖負荷不十分の予測因子2023

    • 著者名/発表者名
      田口 慧、木下 康之、大西 俊平、米澤 潮、山崎 文之、堀江 信貴
    • 学会等名
      第24回日本内分泌学会中国支部学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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