研究課題/領域番号 |
23K06715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 綾 (中嶋綾) 京都大学, 医学研究科, 助教 (60826030)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 喉頭癌 / 下咽頭癌 / 喉頭機能温存 / レディオミクス / 予測モデル |
研究開始時の研究の概要 |
局所進行喉頭癌・下咽頭癌では、喉頭温存を目指した放射線治療が行われるが、治療後の局所再発や有害事象によって発声や嚥下といった喉頭機能が失われることがある。現時点で治療前に喉頭機能温存を予測する明確な指標は存在しない。 本研究では、治療前CT画像と臨床的因子を用いた喉頭機能温存予測モデルを作成する。まず、自施設の喉頭癌・下咽頭癌の放射線治療の治療アウトカムを調査し、喉頭機能温存に関連の強い臨床特徴量を抽出する。さらに、各症例の治療前CT画像からレディオミクスの手法を用いて画像特徴量を抽出する。その中から重要な画像特徴量を選択し、臨床特徴量と組み合わせて喉頭機能温存予測モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
局所進行喉頭癌・下咽頭癌では、喉頭温存を目指した根治的放射線治療が行われるが、治療後の局所再発や有害事象によって喉頭機能を喪失することがある。現時点で治療前に喉頭機能温存を予測する明確な指標が存在しないのが問題である。本研究では、治療前CT画像と臨床的因子を用いた喉頭機能温存予測モデルを作成する。本研究で精度の高い喉頭機能温存予測モデルを構築できれば、個々の患者における手術あるいは放射線治療の治療方針選択に役立ち、個別化医療の実現や治療成績向上への貢献が期待できる。 当該年度では、自施設において下咽頭癌に対する根治的放射線治療を行った患者の長期治療成績を解析し、喉頭機能温存に関わる臨床因子の解析を行った。気管孔がなく、経口のみで栄養が摂取でき、局所再発がないという条件を全て満たして生存している状態を喉頭機能温存生存と定義した。2007-2019年に根治的放射線治療を行った下咽頭癌患者80例(観察期間中央値58ヵ月)における5年喉頭機能温存生存率(laryngo-esophageal dysfunction-free survival: LDFS)は48%であった。LDFSの予測因子について、Cox比例ハザードモデルを用いて単変量および多変量解析で解析したところ、単変量解析・多変量解析いずれにおいてもT病期(T1-3期 vs. T4期)とPNI (prognostic nutritional index)(カットオフ値48)が有意な予測因子であった。すなわち、T4病期、PNI低値の患者は根治的放射線治療を行っても喉頭機能を温存できないリスクが高く、基本的に手術が推奨される。 上記の結果について、学会発表を行うとともに論文を執筆し現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
下咽頭癌については喉頭機能温存に関わる臨床因子を同定でき、論文執筆も行ったが、喉頭癌の解析にとりかかることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、下咽頭癌に加えて喉頭癌についても治療成績の解析を行い、喉頭機能温存に関する臨床因子を解析する。また、各症例の治療前CT画像からレディオミクスの手法を用いて画像特徴量を抽出する。その中から重要な画像特徴量を選択し、臨床特徴量と組み合わせて喉頭機能温存予測モデルを構築する。
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