研究課題/領域番号 |
23K06794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
光藤 崇子 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 非常勤研究員 (70423522)
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研究分担者 |
田村 俊介 宮崎大学, 医学部, 助教 (20883333)
平野 羊嗣 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90567497)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ニューロフィードバック / 聴覚訓練 / γオシレーション / 治療抵抗性統合失調症 / 言語性幻聴 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、統合失調症患者における言語性幻聴の症状と相関するとされている聴覚由来の内因性γオシレーションに着目し、その抑制を促すことで言語性幻聴を軽減させるニューロフィードバック訓練法の開発を試みる。まず、本研究で考案するニューロフィードバック課題の訓練効果を確認した上で、臨床応用を見据えて簡便に実施可能なプロトコルを策定する。予備実験で健常者における内因性のγオシレーションが抑制出来る実験デザインを確立した後に、統合失調症者の実験を行う。最終的には、特に現存の薬物治療に抵抗性を示す統合失調症患者の新規治療法として有用なニューロフィードバック訓練法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、統合失調症患者における言語性幻聴の症状と相関するとされている聴覚由来の内因性γオシレーションに着目し、その抑制を促すことで言語性幻聴を軽減させニューロフィードバック訓練法の開発を試みる。まず、本研究で考案するニューロフィードバック課題の訓練効果を確認した上で、臨床応用を見据えて簡便に実施可能なプロトコルを策定する。予備実験で健常者における内因性のγオシレーションが抑制出来る実験デザインを確立した後に、統合失調症者の実験を行う。最終的には、特に現存の薬物治療に抵抗性を示す治療抵抗性統合失調症患者の新規治療法として有用なニューロフィードバック訓練法の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、すでに作成済みの聴覚訓練課題にニューロフィードバックを導入し、健常者を対象とした予備実験を行った。具体的には、音の弁別(40, 42Hz)をしながら自分の脳波を確認し、内因性ガンマ活動を抑制するよう訓練を行う。音の弁別課題を行っている時の脳波をリアルタイムで解析し、脳活動を視覚的にフィードバックする。同時に、課題の正解・不正解もフィードバックし、脳活動を抑制しつつ、課題に正解するように教示を与える。この基本事項を遵守しつつ、より精度の高いシステムを作成するため調整を繰り返した。1日1時間の訓練セッションを2週間の間に5回(月、水、金、月、水等)実施し、毎回脳活動の閾値(それ以上のパワー値になるとノイズとみなす)を決めた。その閾値を用いて訓練セッションを3回実施し、さらに1週間後にガンマ抑制の訓練効果が持続しているか確認した。検討する中で、脳波として解析しているものが実際の内因性ガンマ活動であるのか、システムノイズをフィードバックしている可能性はないかが問題となり、計測時点でノイズ処理できるような個々人の最適値に合わせたシステム構築が必要であることがわかったため、改良点を挙げ、さらなるシステム構築を目指した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、参加者間の脳活動や反応のばらつきを考慮したパーソナライズドニューロフィードバックと呼ばれるアプローチを視野に入れてプロトコルを精緻化していく。具体的には他の臨床研究で蓄積している大規模サンプルデータから効果的なフィードバックが得られそうな神経生理学的予測因子(どのような電極でどのような脳波特徴量に異常が見られるか)を特定し、個人ごとにフィードバックする電極や指標を選んでニューロフィードバック訓練を行う。統合失調症群に適用可能かを確認するために、今年度はまず健常参加者群を対象として検証していく。例えば、平均からやや逸脱した脳波特徴量のフィードバックなら訓練が上手くいくが, 何も異常がない脳波特徴量なら訓練効果はないといった結果が示されれば、有効な脳派特徴の同定と、効果的なニューロフィードバックプロトコルの作成に役立てると考える。
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