研究課題/領域番号 |
23K06831
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
平山 重人 北里大学, 薬学部, 助教 (40565842)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | μ-δ受容体 / オピオイド / 鎮痛薬 / GPCR |
研究開始時の研究の概要 |
近年、μ-δヘテロダイマー受容体作動薬が鎮痛耐性を示さずに鎮痛効果を発揮することが報告された。しかし既報のμ-δ受容体作動薬のμ-δ受容体選択性は低いことを申請者自ら確認した。本研究ではこれまでに見出したμ-δ受容体作動薬SYK-1222と1227の構造を種々変換し、より高選択性、高活性な化合物を見出す。また、in vivo実験にて鎮痛作用、運動機能への影響や薬物依存性を検討し、μ-δ受容体の機能解明を行う。
|
研究実績の概要 |
キノキサリン誘導合成の重要中間体である17位NH体を取得する際に窒素置換基にBn基を有する誘導体を合成し、水素添加反応を行い、脱Bn反応を行っていた。しかし、この脱Bn反応の際にキノキサリン環が還元されるようになり、新たな合成経路の構築が必要になった。そこでBn基の代わりとなる置換基を検討することとし、Cbz基を導入し、キノキサリン環の構築、ならびに脱Cbz化を行うこととした。これまで同様にCbz基を有するヒドロキシイミノ体を合成し、AcOH中でフェニレンジアミンを反応させたが、反応は進行しなかった。文献調査を行ったところ、p-キシレン中、炭酸カリウムを用いてジケトンとフェニレンジアミンを反応させ、キノキサリン環の構築を行っている報告を見つけた(Chem. Commun., 2020, 56, 5997-6000.)。そこで塩基性条件でのキノキサリン環構築を検討することとした。まず初めに窒素置換基にシクロプロピルメチル(CPM)基を有するジケトン体を合成し、同様の条件に附したところ、酸性条件下において生じる副生成物である脱水体を生成することなく、所望のキノキサリン環を構築することができた。続いて、これまでの合成法と同様に窒素置換基にCPM基を有するヒドロキシイミノ体を用いて同様の反応を行ったところ、キノキサリン環の生成を確認した。そこでCbz基を有するヒドロキシイミノ体を用いて検討を行ったが所望のキノキサリン環化体は得られなかった。現在は別の合成経路を見出すべく検討を行っている。また、結果の詳細を示すことはできないが、親化合物であるSYK-663の運動機能への影響や鎮痛作用などin vivoでの検討が開始できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
親化合物であるSYK-663のin vivoでの検討が開始でき、薬理作用等が判明することは今後の構造展開の1つの指針となるため、良い状況であると考えられる。しかし、当初の計画では窒素置換基を変更した誘導体を合成することになっていたが、未だNH体の合成条件を確立できていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
誘導体合成の要であるNH体の合成経路の確立を第一の目標とし、検討を重ねる。もし、問題点を解決できない場合はBn体の水素添加反応を副生成物が発生する前に途中で止め、NH体を得ることとする。また、窒素置換基の変更のみならずキノキサリン環上に置換基を導入する計画を進める。
|