研究課題/領域番号 |
23K06847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
梅澤 夏佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師(キャリアアップ) (90801530)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 炎症性筋疾患 / 多発性筋炎 / 皮膚筋炎 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性筋疾患の一つである多発性筋炎・皮膚筋炎は、病態に特異的な治療薬が存在せず、新規の治療法開発が必要である。病態形成にはリンパ球だけでなく自然免疫系を担うマクロファージの役割が想定される。病変筋組織のマクロファージは、病初期から回復期にかけて連続的に機能が異なるサブセットに徐々に変化することが明らかとなりつつある。本研究では、モデルマウスや患者筋組織中のマクロファージサブセットを詳細に解析し、病態増悪のマクロファージサブセットから、病態収束のサブセットに変化させる因子を明らかにすることで、新規治療法を開発する。
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研究実績の概要 |
今年度は、炎症性筋疾患(以下、IIM)の動物モデルおよびIIM患者筋組織を用いた骨髄系細胞における機能分子の発現レベルを検証した。IIMマウスモデルの筋組織からタイムコースにて、免疫後Day0、Day7、Day9、Day14において単核球を単離し、CD11bの経時的な発現上昇とともに上昇傾向を示す分子を探索した。複数の分子を検証した結果、Ras活性化に関与するRasGRPファミリーがCD11b発現上昇とともに上昇することを見出した。 加えて、患者筋組織を用いた免疫組織学的染色およびin situ hybridyzationによるRasGRP1およびRasGRP4の発現検討においても、病変筋組織に浸潤するマクロファージの一部にRasGRPファミリーの発現を認めた。すべてのマクロファージに発現を認めなかったことから、マクロファージサブセットを特徴づける分子となりうる可能性が考えられた。 どのようなマクロファージサブセットにこれらの分子が発現誘導されるかを確認するために、in vitroにてマウス骨髄マクロファージにサイトカインを添加して培養し検討した。IFNγを添加して培養した骨髄マクロファージ(炎症促進性のサブセット)にてRasGRPファミリーの発現上昇を認めた。 これらのことから、RasGRPファミリーは特定のマクロファージサブセットに発現する機能分子と考えられ、IIMモデルおよび患者の病態において病勢悪化に関与すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
疾患モデルおよび患者由来組織に共通して、マクロファージを含む骨髄系細胞の一部に発現する分子を検討することができた。初年度の到達目標としては概ね予定通りに進展した。
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今後の研究の推進方策 |
患者組織からのsingle cell RNAseqは未施行であり、マクロファージサブセットの同定には至っていない。網羅的な遺伝子発現データに基づくクラスタリング解析によって、サブセットを同定できると考えられるため、今後検討していく予定である。 また、増悪に関与すると考えられる分子を標的とした治療法開発の可能性について、今後推進する予定である。
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