研究課題/領域番号 |
23K06851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大場 健司 浜松医科大学, 医学教育推進センター, 特任講師 (70649392)
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研究分担者 |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 特命研究教授 (20190291)
佐々木 茂和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20303547)
町田 学 近畿大学, 工学部, 准教授 (40396916)
岩城 孝行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70509463)
山下 計太 浜松医科大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (40868543)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フィブリン / イムノアッセイ |
研究開始時の研究の概要 |
HBs抗原あるいはHCV抗体などの免疫学的検査では、血清中に残存した視認できないフィブリンによる干渉が報告されているが、内分泌ホルモン検査における知見は乏しい。申請者は、健診受診者のデーターベースを解析し、血中遊離サイロキシン(FT4)濃度に対する独立した影響因子として、経口抗凝固薬の内服状態を見出した。文献的考察により、経口抗凝固薬によりフィブリンによる干渉が惹起され、FT4が高値を呈しているメカニズムが推察された。本研究では、甲状腺機能検査を含めた内分泌ホルモン検査におけるフィブリン干渉の実態調査を行うとともに、残余フィブリンによるホルモン検査への干渉メカニズムの解明に挑む。
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研究実績の概要 |
1)視認不可能なフィブリン塊存在環境の模倣: クエン酸を含むスピッツに採取されたヒト血液から血漿を作製し、濃度別にトロンビンを添加した。トロンビン添加量の増加に伴い、フィブリノゲン値が低下することを確認した。高濃度のトロンビン添加により視認可能なフィブリン塊が形成され、低濃度では視認不可能なフィブリン塊を含むと考えられる血漿が作製された。これらの検体の血中遊離T4濃度をイムノアッセイで測定した。トロンビン添加量が低濃度の検体では、見かけ上の遊離T4高値が惹起されることが予想されたが、トロンビンを添加していないコントロールの検体と比べて、見かけ上の高値が観察できなかった。添加するトロンビン濃度ではなく、トロンビン添加後の時間の影響が強い可能性を考えて、検討を継続している。 2)フィブリン干渉が起こりやすい病態の検討:妊婦ではフィブリン干渉が惹起されやすい可能性が報告されている。パイロット研究として、16~45歳の女性の遊離T4について、産婦人科とそれ以外の診療科(内分泌科・小児科・精神科を除外)で比較検討した。前者に比べて後者のFT4が高く、妊婦において遊離T4の見かけ上の高値が惹起される可能性は低いことが推察された。一般的に、妊婦では凝固系が低下するのではなく、むしろ過凝固になることが知られている。予備的検討と併せ、妊婦ではフィブリン干渉が惹起されにくいことが推察された。 3)簡便な検出法の開発: 視認可能なフィブリン塊を含む血清検体、視認不可能だがフィブリン塊が存在する可能性のある血清検体、フィブリン塊が存在しない血清検体、および血漿検体について、開発中の機器を用いた評価を行った。これらの検体を、ある程度識別できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予想していた結果がある程度得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
1)視認不可能なフィブリン塊存在環境の模倣: 今後は、これらの血漿に微小なフィブリン塊が含まれているかどうかを、免疫アッセイや電子顕微鏡により検証する予定である。 2)フィブリン干渉が起こりやすい病態の検討: ヘパリンを投与されている透析患者から提供された検体を用いて、各種イムノアッセイにおける干渉の可能性について検討を行う予定である。現在、倫理委員会への提出書類を作成中である。
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