研究課題
基盤研究(C)
膠原病の主要な全身症状の一つである「倦怠感」は寛解期にも残存し、原疾患以外に多くの要因が関与している。そのため治療法は確立していないが、近年倦怠感に対する生物学的製剤の有効性が示されつつあり、効果が期待できる倦怠感を抽出し適切な患者に使用することが重要である。本研究は「寛解期膠原病患者に残存する倦怠感を分類し、要因に応じて最適な治療を行う治療戦略を確立すること」を目的とする。倦怠感をその要因から亜集団に分類し、分類に有用な診療情報・バイオマーカーを同定する。さらに倦怠感に対する漢方薬・生物学的製剤の有効性を評価し、倦怠感の亜集団に応じて最適な治療薬を選択するための治療戦略を確立する。
本研究の目的は「寛解期膠原病患者に残存する倦怠感を分類し、要因に応じて最適な治療を行う治療戦略を確立すること」である。今年度は倦怠感が診療上問題となる代表的な膠原病である全身性エリテマトーデスを対象として研究を行った。(1)九州大学病院を中心とした多施設前向き観察研究(KCDN-SLE、22施設)の登録時データを用いて、患者全般評価VASは倦怠感VASと強い相関を示し、臓器病変では皮膚粘膜・筋骨格病変および発熱を反映することを見出した。(2)全身性エリテマトーデスに対する新たに使用可能となった生物学的製剤のアニフロルマブの有効性・安全性を検討し、生物学的製剤スィッチ症例でもナイーブ症例と同様に有効であることを見出した。
2: おおむね順調に進展している
全身性エリテマトーデスに関して来年度以降につながる研究成果を学会発表できており、おおむね順調に進展している。
本年度十分に進められなかった他疾患についても研究を行う。
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