研究課題/領域番号 |
23K06876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
川原 玄理 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40743331)
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研究分担者 |
林 由起子 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50238135)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 筋ジストロフィー / ゼブラフィッシュ / Jagged1 / 薬剤投与 / ゼブラフィッシュモデル / 治療薬剤スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
現在、筋ジストロフィーの治療法は限られているが、最近の報告で、ジストロフィン完全欠損のDMDのモデル犬、DMDゼブラフィッシュモデルにおいてJagged1遺伝子発現亢進によりその症状が改善することが示された。我々は、Jagged1トランスジェニックゼブラフィッシュを開発しそれらを用いた薬剤スクリーニングにより、Jagged1遺伝子発現を亢進する7つの薬剤を同定した。これらの薬剤の一部にDMDモデルゼブラフィッシュの筋構造異常を緩和する作用がある薬剤が確認されたことから、これらの薬剤の作用機序をヒントに、筋ジストロフィーの治療に結び付く分子機序そして治療法を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、我々が先行研究で見出したJagged1の発現を増強する薬剤を用いて、筋ジストロフィーの治療法を見出すことを目的としている。現在まで筋ジストロフィーの治療法は限られているが、最近の報告で、ジストロフィン完全欠損のDMDのモデル犬、DMDゼブラフィッシュモデルにおいてJagged1遺伝子発現亢進によりその症状が改善することが示された。我々は、薬剤スクリーニングに多くの利点があるゼブラフィッシュを用いて、Jagged1トランスジェニックゼブラフィッシュを開発しJagged1遺伝子の発現を亢進する7つの薬剤を同定した。これらのJagged1遺伝子の発現を亢進する薬剤の一部にDMDモデルゼブラフィッシュの筋構造異常を緩和する作用がある薬剤が確認されたことから、これらの薬剤の作用機序をヒントに治療に結び付く分子機序そして治療法を明らかにすることを目指してこの研究課題に取り組む。 今年度は、候補薬剤#1をDMDモデルフィッシュであるsapjeに投与した場合、筋構造異常を示すホモ変異をもった変異体が減少していることを確認し、薬剤#1で症状が緩和されたジストロフィンの完全欠損であるが正常な筋構造を持つ個体を解析した。それらの薬剤効果は受精後1日目から4日目までの投与による結果であったが、すでに筋組織の異常が認められる生後5日目のゼブラフィッシュの稚魚の個体に対する薬剤投与によっても、その筋での表現型の改善効果が認められた。この結果から薬物投与による表現型を呈するsapjeの長期治療による延命効果についても現在のところ薬剤投与により10日前後で死亡するsapjeの寿命を延ばすことに成功している。現在、薬剤投与により正常化したDMDモデルフィッシュの個体について、症状を示しているsapjeや野生型の個体と比較し、主に遺伝子発現解析を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画において、jagged1トランスジェニックゼブラフィッシュを用いて得られたjagged1の発現を亢進する薬剤であり、DMDモデルゼブラフィッシュ、ジストロフィンタンパク質を欠損しているsapjeが示す表現型である筋組織の構造異常の改善に効果があった薬剤候補#1の投与についてその効果を確認した。薬剤効果が示されたのは、筋組織の異常がまだ認められない受精後1日目に薬剤投与して5日目に筋構造異常を示す個体の割合が減少した結果であったが、すでに筋組織の異常を呈している生後5日目の個体に対する薬剤投与によりその筋での表現型の改善効果が認められたため、薬剤効果により筋構造異常が改善した個体を得ることが容易になった。現在、それらの改善効果が見られた個体を用いて遺伝子発現解析やタンパク質発現解析を進めている。候補薬剤の効果を確認し、薬剤投与により筋ジストロフィー症状が改善された個体を用いた解析を行うという点で本研究課題については、現在のところやや遅れているが計画通り達成されている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、候補薬剤#1のDMDモデルフィッシュの表現型の改善効果についてさらに研究を進めるため、薬剤#1の薬剤投与により筋構造異常の改善した個体を用いて、遺伝子発現、タンパク質発現解析をして、筋構造の改善に結び付く分子メカニズムとの関連を明らかにする。具体的には正常な野生型と、ジストロフィンが完全欠損している筋構造異常を呈しているDMDモデルフィッシュ、そして薬剤投与により筋構造が改善した個体を用いて筋関連遺伝子発現、jagged1遺伝子発現関連分子などを遺伝子発現やタンパク質発現を比較することにより、筋ジストロフィーの治療法開発に役立つ分子機序の新規発見をめざす。
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