研究課題/領域番号 |
23K06892
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山崎 丘 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70301174)
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研究分担者 |
石岡 憲昭 帝京大学, 医学部, 教授 (70184471)
寺田 昌弘 京都大学, 宇宙総合学研究ユニット, 特定准教授 (10553422)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 冬眠 / マウス / 老化 / 筋萎縮 / 老化細胞 / 宇宙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、冬眠中の状態に似た冬眠様低体温マウスを用いて、冬眠中の動物が筋萎縮を起こさないメカニズムや宇宙飛行士に見られる筋萎縮など老化に似た現象を解明し、老化の予防や筋萎縮に係る治療薬の開発等を目指すものである。 また、宇宙環境で宇宙飛行士に見られる老化に似た現象の進行と、冬眠中のヤマネ等に見られる筋萎縮の抑制(すなわち老化の抑制)の違いがなぜ生じるのか?冬眠動物ではないマウスを人工的に低体温へと誘導し、冬眠に似た状態にして、筋骨組織や臓器、毛髪の成分分析等を行い、冬眠に似た低体温下で変化する分子の動態を網羅的に比較解析し、それらの機能や老化細胞、更には老化、寿命との関連性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、冬眠動物が冬眠中に筋萎縮を起こさないことに着目し、冬眠様低体温状態のマウスを利用してそのメカニズムや老化との関連を明らかにし、老化の予防や筋萎縮に係る治療薬の開発等を目指すものである。 マウスを冬眠様人工低体温状態に誘導するために、温度、湿度、二酸化炭素濃度、照度をモニターできる飼育設備を整備し、低体温状態を誘導する薬剤を投与したマウス、活動抑制するコントロールとして低濃度麻酔薬を投与したマウス、生理食塩水を投与したプラセボマウスおよび通常飼育(未処理)マウスの4群を飼育し、比較実験を行った。薬剤等は小型カプセル型浸透圧ポンプを皮下に埋め込み連続的に投与し、体温はサーモグラフィーカメラで測定した。 低体温状態を誘導する薬剤を投与して人工的に冬眠様状態に誘導したマウスと低濃度麻酔薬を投与して活動抑制したマウスでは、生理食塩水を投与したプラセボマウスおよび通常飼育マウスと比較して、体温が明らかに低下する傾向を示し、本飼育環境によりマウスを冬眠様人工低体温状態へ誘導できることを確認した。また、低体温状態を誘導する薬剤を投与したマウスは、低濃度麻酔薬投与マウス群に比べ、より体温が低下することが示された。さらに、安楽死後に採取した血中の血清タンパク質を超高パフォーマンス液体クロマトグラフィー(UPLC)により分析したところ、低体温状態を誘導する薬剤投与マウスでは、低濃度麻酔薬投与マウスやプラセボ群に比べ増加するピークが観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工低体温飼育環境を整備し、実際に冬眠様低体温マウスを飼育し、検体を得ることができた。また、血中の血清タンパク質分析において活動量減少に伴い発現量が変化するタンパク質が検出されており、詳細に分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
冬眠様状態誘導マウスにおいて、活動量減少に伴い発現量が変化するタンパク質の探索を続ける。また、ウエスタンブロッティング法等により、増加した血清中タンパク質の同定を試みる。
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