研究課題/領域番号 |
23K06906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
森山 雅人 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (30598131)
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研究分担者 |
西條 康夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10270828)
猪又 孝元 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20311954)
松田 将門 福島県立医科大学, 保健科学部, 助教 (30838652)
日比野 浩 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70314317)
緒方 元気 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特任准教授 (80452829)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ダイヤモンド電極 / 直接経口抗凝固薬 / DOAC / 血栓塞栓症 / 抗凝固活性 |
研究開始時の研究の概要 |
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、薬物相互作用が少なく、モニタリング検査も不要とされているが、一方で血栓の増大・再発や出血などの有害事象も認められる。DOACよる抗凝固療法を有効かつ安全に施行するためには、薬物血中濃度と抗凝固活性を測定し、臨床所見と組み合わせて検討することが重要である。新潟大学を中心に、迅速かつ簡便に薬物血中濃度の測定が可能なダイヤモンド電極法が開発された。申請者らはダイヤモンド電極法によるDOACの血中濃度測定が可能であることを確認した。本申請課題では、薬物血中濃度や凝固線溶検査を含めたDOAC治療の包括的なモニタリング法を開発し、臨床の現場で広く実践することを目的とする。
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研究実績の概要 |
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、薬物相互作用が少なく、モニタリング検査も不要とされているが、一方で血栓の増大・再発や出血などの有害事象も認められる。DOACよる抗凝固療法を有効かつ安全に施行するためには、「薬物血中濃度」と「抗凝固活性」を測定し、「臨床所見」と組み合わせて検討することが重要である。新潟大学を中心に、迅速かつ簡便に薬物血中濃度の測定が可能な「ダイヤモンド電極法」が開発された。申請者らはダイヤモンド電極法によるDOACの血中濃度測定が可能であることを確認した(20K07842)。本研究では、「ダイヤモンド電極法」を用いてDOAC 血中濃度を迅速かつ簡便に測定する方法を確立し、併せて抗凝固活性、臨床症状を評価し、包括的モニタリングとして実臨床へ応用することを目的としている。最初に定量方法の評価として、①処理方法や代謝産物を評価しDOAC 測定法を最適化する。次に、②ヒト血液やDOAC を経口投与した動物を用いて測定法を検証し、迅速かつ簡便な測定法を確立する。加えて、③投薬患者の血漿中濃度を計測し、質量分析(LC-MS/MS)による計測値と比較して定量性を検証する。さらに、④広く症例を集積して、薬物血中濃度と抗凝固活性、および臨床症状との関連性を評価し、臨床応用を目指す。最終的には、DOAC の有効かつ安全な個別化(テーラーメイド)治療の確立に寄与するものである。 今年度は、「ダイヤモンド電極法」におけるエドキサバンの測定感度と選択性の向上を目標に、サンプルの前処理や測定条件の最適化について、様々な条件で検討を行った。併せて、「ダイヤモンド電極法」の特異性を評価するために、エドキサバンと、その代謝産物であるM-1、M-4を区別して測定できるかについても検証を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、ダイヤモンド電極法を用いてDOAC 血中濃度を迅速かつ簡便に測定する方法を確立し、併せて抗凝固活性、臨床症状を評価し、包括的モニタリングとして実臨床へ応用することを目的としている。最初に定量方法の評価として、①処理方法や代謝産物を評価しDOAC 測定法を最適化する。次に、②ヒト血液やDOAC を経口投与した動物を用いて測定法を検証し、迅速かつ簡便な測定法を確立する。加えて、③投薬患者の血漿中濃度を計測し、質量分析(LC-MS/MS)による計測値と比較して定量性を検証する。最後に、④広く症例を集積して、薬物血中濃度と抗凝固活性、および臨床症状との関連性を評価し、臨床応用を目指す。最終的には、DOAC の有効かつ安全な個別化(テーラーメイド)治療の確立に寄与するものである。 今年度から次年度にかけて、測定感度と選択性の向上を目標に血漿サンプルの前処理を最適化することも計画に入れていたが、今年度はまだ血漿サンプルの測定には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず測定感度と選択性の向上を目標に血漿サンプルの前処理を最適化する。ラットの血液に既知濃度のエドキサバンを溶解した血漿サンプルに、アセトニトリルを添加し、遠心分離して、除蛋白質処理をする。これにより血漿蛋白質に結合したエドキサバンを分離する最適なアセトニトリル量を見出す。また、各種遠心式フィルタを用いて、血漿中からエドキサバンのみを抽出する方法も試みる。さらに、「ダイヤモンド電極法」の特異性を評価するために、エドキサバンと、その代謝産物であるM-1、M-4を区別して測定できるかも検証する。 加えて、ヒト血液および動物実験による測定方法の性能検証を進めていく。 (1)ヒト血液による性能検証:先の実験で確立した測定法の性能を、市販の実験用ヒト血液を用いて再評価する。必要があればアセトニトリル量などを含め、測定方法を最適化を図る。 (2)動物実験による性能検証:ラットにエドキサバンや各種併用薬を経口投与し、一定時間毎に採血する。血中濃度を計画①で開発した測定法と、質量分析器よる測定の結果を比較する。さらに、半減期などの薬物動態パラメータを算出し、抗凝固活性と合わせて既存データと比較する。
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