研究課題/領域番号 |
23K06911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
増田 曜章 大分大学, 医学部, 講師 (50464459)
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研究分担者 |
松原 悦朗 大分大学, 医学部, 教授 (70219468)
木村 成志 大分大学, 医学部, 准教授 (30433048)
大林 光念 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90361899)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知症 / 小径線維ニューロパチー / 末梢神経障害 / 皮神経 / 軽度認知障害 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
内分泌・代謝性疾患、腫瘍性疾患、中毒性疾患、感染性疾患に伴う認知症の確定診断は容易でないが、これらの患者に高頻度に併発する末梢神経障害、特に小径線維ニューロパチーに着目し、①認知症患者における小径線維障害度の評価、②認知機能障害、および小径線維障害双方に関連する新規バイオマーカーの探索、③内分泌・代謝性疾患、腫瘍性疾患、中毒性疾患、感染性疾患に伴う認知症の鑑別診断法および診断アルゴリズムの作成、を行う。さらに、本研究結果をもとに、認知症と小径線維ニューロパチーに共通する発症機序をターゲットとした治療法、および治療効果判定に有用なサロゲートマーカーの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
末梢神経障害、特に小径線維ニューロパチーに着目し、内分泌・代謝性疾患、腫瘍性疾患、中毒性疾患、感染性疾患に伴う認知症を中心とした認知症の鑑別診断法を確立し、認知症と小径線維ニューロパチーに共通する発症機序をターゲットとした治療法、およびその治療効果を評価できるサロゲートマーカーの開発を目的とし、本研究を開始した。研究計画1年目である2023年度では、これまでに行った縦断的大規模コホート研究のデータを中心にレジストリの構築を開始し、発症年齢、罹病期間、臨床像 (認知機能障害の病型・重症度、末梢神経障害の病型・重症度)、併存症、および予後について検討した。本解析の結果として軽度認知障害 (MCI) 患者群、認知症患者群のいずれにおいてもアミロイド病理を背景とせず、さらには末梢神経障害を併発している患者群が存在していた。また、ディープラーニングを活用した小径線維ニューロパチーの診断支援システムの開発のために、過去に蓄積していた糖尿病性ニューロパチー、アミロイドニューロパチー、膠原病関連末梢神経障害、サルコイドニューロパチー、薬剤性ニューロパチーなどの患者、および健常人ボランティアから得た皮神経病理画像 (1080枚) の読み込みを行い、機械学習を行った。その他、血清、脳脊髄液を用いて小径線維障害、認知機能障害双方の新規バイオマーカー候補の探索を行い、臨床像、画像所見、各種神経生理検査との関連について解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度である2023年度においては、当初計画していた研究について順調に行うことができた。非アルツハイマー病理であるMCI患者、認知症患者のなかに内分泌・代謝性疾患、腫瘍性疾患、中毒性疾患、感染性疾患に伴う疾患群が存在することが示唆された他、ATTRvアミロイドーシス39例の皮神経脱落と発汗機能障害 (電気化学的皮膚コンダクタンス: ESC) の関連の解析からは足底ESC値が病理組織的な障害度を反映した発汗機能および小径線維ニューロパチーの新規バイオマーカーになりうること、髄液BAFF値が神経サルコイドーシスの病態を反映する新規バイオマーカーであることを、それぞれ国際学術誌に報告した。その他、本研究のレジストリ構築の過程で、筋疾患であるX-linked myotubular myopathyに認知機能障害と末梢神経障害が併存する症例が判明し、英文誌に報告した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、引き続き、前年度までの研究を発展させる。特に、内分泌・代謝性疾患、腫瘍性疾患、中毒性疾患、感染性疾患をターゲットとした、認知機能障害、ならびに小径線維ニューロパチーに関連する新規バイオマーカー候補の確立を重点的に行う。また、デジタル化した皮神経病理画像を3領域 (表皮内神経線維、真皮内神経線維、汗腺周囲神経線維) で障害度を分類し、臨床データとともに機械学習モデルを構築し、認知症患者の診断アルゴリズムの開発をすすめていく。
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