配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
研究開始時の研究の概要 |
視神経脊髄炎 (NMOSD) と多発性硬化症 (MS) は異なる免疫特性を持つ自己免疫性グリア病である. 本研究では「細胞外DNAトラップ」に着目し, その生物学的意義を確立することを目的とする. 第一に, NMOとMSの脳脊髄病変への「細胞外DNAトラップ」集積とその由来免疫細胞を証明する. 第二に, 「細胞外DNAトラップ」が炎症を惹起し, 血液脳関門 (BBB) の透過性を亢進させ, 神経変性を発動する可能性を探索する. 第三に, 「細胞外DNAトラップ」の解析から, 疾患活動を反映する血液バイオマーカーとしての意義を確立する.
|
研究実績の概要 |
視神経脊髄炎 (NMOSD) と多発性硬化症 (MS) は異なる免疫特性を持つ自己免疫性グリア病である. 本研究は「細胞外DNAトラップ」に着目し, その生物学的意義を確立するため, 下記の3つの主要な目的を立てた. 第一に, NMOとMSの脳脊髄病変への「細胞外DNAトラップ」集積とその由来免疫細胞を証明する. 第二に, 「細胞外DNAトラップ」が炎症を惹起し, 血液脳関門 (BBB) の透過性を亢進させ, 神経変性を発動する可能性を探索する. 第三に, 「細胞外DNAトラップ」の解析から, 疾患活動を反映する血液バイオマーカーとしての意義を確立する. 初年度 (2023年度) は、細胞外DNAトラップの集積とその局在, 由来免疫細胞の同定を行った. 具体的には, 脳・脊髄病変を時空間的な4つのステージ (初期病変 [I], 初期活動性病変 [EA], 後期活動性病変 [LA], 非活動性病変 [IA]) に分類した上で, 免疫組織化学法 (IH) を用い, 脳・脊髄剖検標本において, NMOSDのI/EA病変で多数のシトルリン化ヒストン及びmyeloperoxidase陽性の細胞外DNAトラップの集積とその局在を明らかにした. 細胞外DNAトラップは, 好中球マーカー陽性並びに単球マーカー陰性・ミクログリアマーカー陰性であるため, 好中球由来であると推定された. 好中球由来細胞外DNAトラップは, MSでは認めなかった. これらの研究結果を論文として報告した. これらの実績から, 第一の目的に到達したと考えた. 2年度 (2024年度) 以降, 第二及び第三の目的の到達に向けて, 研究を行う計画である.
|
今後の研究の推進方策 |
2年度 (2024年度) 以降, 研究分担者1名が減員となる. 一方, 免疫学的解析を実施できる体制は維持可能であり, 目的達成に支障はないと考えているが, 研究をさらに推進するために, 研究協力者の増員を検討する.
|