研究課題/領域番号 |
23K06929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宮本 亮介 徳島大学, 病院, 特任講師 (90571050)
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研究分担者 |
梶 龍兒 徳島大学, 研究支援・産官学連携センター, 特任教授 (00214304)
後藤 恵 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (50240916)
森垣 龍馬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (70710565)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ジストニア / dystonia / dopamine D1 receptor |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、isolated dystoniaの3家系において、新規原因遺伝子DYS-XXを同定し、さらにDYS-XX変異保有患者の剖検脳において、線条体のstriosomal D1 cellの選択的脱落を確認した。本研究では、striosomal D1 cellの脱落がisolated dystoniaの根本的病態であることを証明し、striosomal D1 cellをターゲットとした治療開発を行うため、DYS-XX遺伝子改変マウスの線条体の免疫組織学的解析、DYS-XX変異保有患者由来のiPS細胞を用いた機能解析、多数の患者DNAサンプルでのDYS-XX変異スクリーニングを行う。
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研究実績の概要 |
ジストニアは反復する体のねじれ、姿勢異常を来す神経変性疾患であり、現時点では対症療法のみ存在する。新たな治療法開発のためには、未だ不明であるジストニアの病態を解明し、まず治療ターゲットを同定する必要がある。我々は、全ジストニアの3/4を占めるisolated dystoniaの3家系において、新規原因遺伝子DYS-XXを同定し、さらにDYS-XX変異保有患者の剖検脳において、線条体のストリオソームのドパミンD1受容体陽性細胞(striosomal D1 cell)の選択的発現低下を確認した。本研究では、striosomal D1 cellの選択的発現低下がisolated dystoniaの根本的病態であることをより強固に証明し、かつstriosomal D1 cellをターゲットとした治療開発の実際的な準備のため、(1)DYS-XX遺伝子改変マウスの線条体の免疫組織学的解析、(2)DYS-XX変異の及ぼす影響の生化学的解析、(3)多数の患者DNAサンプルでのDYS-XX変異スクリーニング、(4)画像による、DYS-XX変異保有患者での線条体D1 cell発現低下の証明を行う。初年度は患者由来iPS細胞を作製した。現在isogenic controlを作製中であり、作製が終了すればmedium spiny neuronにconvertしてD1Rの発現を確認する予定である。またHEK293細胞にDYS-XXの変異を導入し、その強制発現系においてD1R発現が低下することを確認した。さらに、DYS-XX変異スクリーニングにおいて、別の変異を持つ新たな2家系を同定した。DYS-XXの変異を持つ患者のphenotypeの検討では、頸部、上肢にジストニア持つ例が多いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者由来iPS細胞を作製した。現在isogenic controlを作製中であり、作製が終了すればmedium spiny neuronにconvertしてD1Rの発現を確認する予定である。遺伝子改変マウスの作製はまだ完了していない。以上によりおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在患者由来iPS細胞のisogenic controlを作製中である。患者由来iPS細胞とisogenic controlをmedium spiny neuronにconvertし、抗体染色やwestern blottingでD1Rの分布や発現量を確認し、DYS-XXとの関連についても検討する予定である。DNAサンプルでのDYS-XX変異スクリーニングも継続して行う。
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