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虚血性脳損傷に対するフルクトース輸送担体制御による新規脳保護療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K06952
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52020:神経内科学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

卜部 貴夫  順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60291663)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード糖輸送担体 / フルクトース / 虚血性脳損傷 / 脳保護療法 / ミクログリア / アストロサイト / 血管内皮細胞 / 炎症反応
研究開始時の研究の概要

脳にとってグルコースは必須エネルギー源であり、糖輸送担体(グルコーストランスポーター:GLUT)が重要な機能を成している。グルコース輸送に障害を来す低酸素下ではGLUTアイソフォームのGLUT5はフルクトースを脳内に輸送しATP生成を維持することで障害に抵抗性を示すことが知られている。本研究は、脳虚血によって通常の糖輸送担体機能が破綻しグルコース利用が障害された状況下において、フルクトース輸送担体のGLUT5によるフルクトース利用促進と脳保護作用の関連の分子機構解明と新たな視点での脳保護療法の開発を目指す。

研究実績の概要

脳は生理的条件下ではグルコースのみをエネルギー基質とし、その酸化的代謝によって得られるATPで神経機能活動が維持されている。虚血性脳梗塞においては,糖輸送担体(GLUT)によるグルコース輸送に障害を来すため、フルクトース代謝等の嫌気性代謝に対する理解が重要となる。脳内にはGLUT1、GLUT3は主にグルコース代謝に関係しており、脳内においては神経細胞、アストロサイトに発現している。GLUT5はフルクトース輸送に特異的であり脳のミクログリアにおけるGLUT5の発現が報告されているが、GLUT5と脳梗塞の関連に関する詳細な検討は無い。本研究は脳虚血における糖輸送体機能が破綻の状況下でGLUT5発現が誘導されることによるフルクトース利用が脳虚血の病態に与える影響について検討した。
2023年度は急性脳虚血モデル(DMCAOモデル)を作成し、経時的に虚血周辺部のペナンブラにおけるGLUT5発現変化とセルタイピングを行い、発現細胞と酸化ストレスとの関係を免疫染色にて評価した。
GLUT5は正常状態においてはミクログリアにのみ発現を認めたが、虚血後経時的にGLUT5の発現は72時間をピークに増加(p<0.001)し、その後は定常状態となった。GLUT5はアストロサイト、ミクログリアに主に発現し、一部血管内皮にも認めた。さらにGLUT5は炎症性アストロサイト、炎症性ミクログリアに多く発現しており、iNOSなどの酸化ストレスとの共存も認めた。脳虚血下でのフルクトース投与群ではGLUT5発現が増加しており、Corner Test、mNSS、Rota Rodにて機能評価を行ったところ、対照群と比較して有意な悪化が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度で急性脳虚血モデルにおける虚血脳条件下でのGLUT5の発現変化と細胞局在が明らかとなった。フルクトース投与実験では脳内GLUT5発現量が増加し、機能評価での悪化が確認され、研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

GLUT5の脳虚血下での機能解析のため、急性脳虚血モデルにおいてGLUT5阻害薬を投与することにより機能予後評価やGLUT5の変化を免疫組織化学的評価を実施する。
ハダカデバネズミの急性脳虚血モデルの作成の可否を検証し、脳虚血でのGLUT5の分子病態を蛋白レベルで検証する。モデルの作成が不可能な場合は、既に報告されている低酸素負荷による評価を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脳梗塞ペナンブラ領域におけるGLUT5発現と酸化ストレスの関連2023

    • 著者名/発表者名
      金沢華造,宮元伸和,平 健一郎,木島千景,服部信孝,卜部貴夫
    • 学会等名
      第66回日本脳循環代謝学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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