研究課題/領域番号 |
23K06956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
佐野 和憲 福岡大学, 薬学部, 准教授 (50534343)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プリオン病 / 免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
プリオン病は病原体である異常プリオン蛋白質が脳に蓄積する疾患である。その病態機序は明確ではなく有効な治療法も存在しない。研究代表者は、プリオン病では、異常プリオン蛋白質の蓄積や発症が認められる前から免疫に関連するある特定の分子に異常が起こることを見出している。従って、プリオン病は免疫疾患としての側面を持っており、その分子が異常プリオン蛋白質の蓄積や発症に関与すると推測する。本研究では、プリオン病におけるその分子の機能を解明し、さらにその分子を標的とした治療・診断へと研究を展開する。
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研究実績の概要 |
プリオン病は原因不明な疾患であり、有効な治療法も存在しない。研究代表者は、プリオン病では、その病原体である異常プリオン蛋白質の増幅や発症が認められる前から免疫に関連するある特定の分子「分子X」に異常が起こることを見出している。従って、プリオン病は免疫疾患としての側面を持っており、異常分子Xが異常プリオン蛋白質の増幅や発症に関与すると推測する。本研究では、プリオン病における異常分子Xの機能を解析することで、プリオン病の原因解明に迫り、さらに異常分子Xを標的としたプリオン病治療・診断へと研究を展開するための研究基盤を構築することが目的である。
分子Xの発現異常を確認したプリオン病マウス脳、正常マウス脳から精製したRNAについて、RNAシークエンス解析においてプリオン病特異的なスプライシングバリアント(SV)が検出された。そのSVは分子Xの18個のExonのうちExon 1~Exon 8を有しており、そのSVから生成するとされる蛋白質の分子量の理論値とウエスタンブロット法解析で認められた異常分子Xの分子量は同程度であった。またRNAシークエンス解析、RT-PCR解析において、プリオン病マウス脳では分子Xの発現増加もまた示された。分子Xに対するモノクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法解析では、そのSVから生成するとされる蛋白質のエピトープを認識する抗体では分子X及び異常分子Xが検出され、一方、その蛋白質が有さないエピトープを認識する抗体では異常分子Xは検出されず、分子Xのみが検出された。ウエスタンブロット法解析でもまた、分子X発現の増加が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
異常分子XとされるDNA・RNAの塩基配列及びタンパク質の塩基配列を特定することができている。またその異常分子X及び分子X 発現用プラスミドベクターの構築も開始している。 従っておおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
分子X及び異常分子Xの発現を人為的に操作できるようにプラスミドベクター等を構築する。それらのプラスミドベクター等を培養細胞もしくはマウスに導入し、異常プリオン蛋白質発生に対する分子X、異常分子Xの作用をWB法、免疫組織化学染色(IHC)法等で解析する。
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