• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

脱髄性疾患MOG抗体関連疾患の中枢神経内免疫病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K06959
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52020:神経内科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

三須 建郎  東北大学, 大学病院, 講師 (00396491)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード脱髄性疾患 / ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白 / 多発性硬化症 / 補体
研究開始時の研究の概要

本研究では、臨床的には抗MOG抗体を含めた脱髄疾患に関する長期前向き研究を実施し、MS関連疾患の中でMOG抗体陰性群、MOG抗体陽性群の長期的予後やMOG抗体価の推移、MOGADからMSなどへの移行等を明らかにする。また、病理学的に腫瘍様脱髄性疾患における異所性リンパ濾胞構造を明らかにするとともに、脱髄疾患におけるMOGADやMS関連疾患の病態解明と特異的治療法の開発を目指している。

研究実績の概要

我々はMOG抗体関連疾患(MOGAD)の病理学的特徴には、血管周囲性脱髄を特徴とすること等の多発性硬化症MSとは異なる特徴を有すると明らかにしてきた。また視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)との類似性があるが、しかしMOG抗体は主に免疫グロブリンのサブクラスであるIgG1であることから補体活性化があると考えられているが、補体活性による脱髄機序については、病理学的検討においては補体自体の沈着がNMOSDと比較して限定的であることから、病態が異なると考えている。国際的な競合する多施設からはMOGADでも補体が関わることが示唆される研究成果も上がっている。本研究においては、MOGADとNMOSDにおける補体活性の差を検証し、MOGADでは髄液中補体活性がNMOSDに比して低いことを示すとともに、病理学的な再検証においてもMOGADはNMOSDに比して補体活性であるC9neoの沈着が限定的であることを明らかにした。

近年MSの中核的病態と考えられる異所性リンパ濾胞構造がMOGADでも大きな役割を担い、中枢神経内で持続的にMOG抗体が産生され得る可能性が明らかとなっており、本研究においてもMOGADでは、中枢神経内MOG抗体産生が従来考えられているより高頻度に認められることを明らかにし、特に皮質性脳炎においては髄液中のみでMOG抗体が検出される割合が高く、診断的にも髄液中MOG抗体を検出することが有意義であり、一方でMOGADにおける視神経炎においては、血清MOG抗体を測定することで十分であることを報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究において、本研究においてMOG抗体関連疾患(MOGAD)における脳内産生機構について明らかにし昨年学会誌に報告するとともに、研究会に於いて報告を行っている。また、現在前向き研究にて、継続的にMOGAD患者におけるMOG抗体産生状態とその進行病態についての検討を行っており、順調に症例が蓄積しており、今後対象症例における縦断的な解析を行って、MOG抗体の免疫病態を明らかにしていきたいと考えている。

また病理学的に補体が関与する病態を免疫組織学的に検証を行い、これについても研究を秋の関連学会にて報告することとなっている。また、MOGADの免疫病態において現在最も中止されている髄液中の活性化補体C5b-9の関与について、視神経脊髄炎スぺクトラム障害(NMOSD)との比較検討を行った結果を明らかにし、現在投稿中である。このように研究は順調に遂行されており、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

前向き研究にて、継続的にMOGAD患者におけるMOG抗体産生状態とその進行病態についての検討を行っており、今後も順調に症例が蓄積していくことが見込まれている。国際診断基準を元に対象症例における縦断的な解析を行っていく方針であり、また国際的なコンソーシアムなどに参加して、より国際的な検証を行い、MOG抗体の免疫病態を明らかにしていきたいと考えている。

また病理学的に補体が関与する病態を免疫組織学的に検証を行い、これについても研究を秋の関連学会にて報告することとなっている。また、MOGADの免疫病態において現在最も中止されている髄液中の活性化補体C5b-9の関与について、視神経脊髄炎スぺクトラム障害(NMOSD)との比較検討を行った結果を明らかにし投稿中である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Diagnostic implications of MOG-IgG detection in sera and cerebrospinal fluids2023

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto Yuki、Kaneko Kimihiko、Takahashi Toshiyuki、Takai Yoshiki、Namatame Chihiro、Kuroda Hiroshi、Misu Tatsuro、Fujihara Kazuo、Aoki Masashi
    • 雑誌名

      Brain

      巻: - 号: 9 ページ: 3938-3948

    • DOI

      10.1093/brain/awad122

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] White blood cell count profiles in anti-aquaporin-4 antibody seropositive neuromyelitis optica spectrum disorder and anti-myelin oligodendrocyte glycoprotein antibody-associated disease2023

    • 著者名/発表者名
      Akaishi Tetsuya、Misu Tatsuro、Fujihara Kazuo、Nakaya Kumi、Nakaya Naoki、Nakamura Tomohiro、Kogure Mana、Hatanaka Rieko、Itabashi Fumi、Kanno Ikumi、Kaneko Kimihiko、Takahashi Toshiyuki、Fujimori Juichi、Takai Yoshiki、Nishiyama Shuhei、Ishii Tadashi、Aoki Masashi、Nakashima Ichiro、Hozawa Atsushi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 6481-6481

    • DOI

      10.1038/s41598-023-33827-3

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Pathology of myelin oligodendrocyte glycoprotein antibody-associated disease: a comparison with multiple sclerosis and aquaporin 4 antibody-positive neuromyelitis optica spectrum disorders2023

    • 著者名/発表者名
      Takai Yoshiki、Misu Tatsuro、Fujihara Kazuo、Aoki Masashi
    • 雑誌名

      Frontiers in Neurology

      巻: 14 ページ: 1209749-1209749

    • DOI

      10.3389/fneur.2023.1209749

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] MOGAD国際委員会基準の妥当性に関する検証2023

    • 著者名/発表者名
      山本 尚輝(東北大学 脳神経内科), 松本 勇貴, 金子 仁彦, 高橋 利幸, 梅澤 周, 山崎 直也, 生田目 知尋, 小野 紘彦, 高井 良樹, 黒田 宙, 藤原 一男, 中島 一郎, 三須 建郎, 青木 正志
    • 学会等名
      日本神経免疫学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] MOGAD急性期髄液における活性化補体の解析2023

    • 著者名/発表者名
      金子 仁彦(東北大学 脳神経内科), 黒田 宙, 小野 紘彦, 松本 勇貴, 阪本 直広, 山崎 直也, 山本 尚輝, 梅澤 周, 生田目 知尋, 高井 良樹, 高橋 利幸, 藤盛 寿一, 中島 一郎, 藤原 一男, 三須 建郎, 青木 正志
    • 学会等名
      日本神経免疫学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Myelin oligodendrocyte glycoprotein抗体関連疾患の脳波所見の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      此松 和俊(東北大学 大学院医学系研究科神経内科学分野), 藤盛 寿一, 金子 仁彦, 神 一敬, 三須 建郎, 中島 一郎, 中里 信和, 青木 正志
    • 学会等名
      日本神経学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] SARS-CoV-2ワクチン後免疫性神経疾患の臨床的特徴と予後2023

    • 著者名/発表者名
      金子 仁彦(東北大学病院 脳神経内科), 松本 勇貴, 藤盛 寿一, 生田目 千尋, 高井 良樹, 中島 一郎, 三須 建郎, 青木 正志
    • 学会等名
      日本神経感染症学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] MOGADの広がりから病態を探る MOGADの治療 現状と展望2023

    • 著者名/発表者名
      三須 建郎(東北大学病院 脳神経内科)
    • 学会等名
      日本神経免疫学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi