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疾患特異的アストロサイトを標的としたアルツハイマー病の治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K06963
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52020:神経内科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

遠藤 史人  名古屋大学, 環境医学研究所, 特任講師 (10713307)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードアルツハイマー病 / アストロサイト
研究開始時の研究の概要

アルツハイマー病において、老人斑の周囲に集簇するアストロサイトはGFAPを高発現し活性化し、ADのリスク遺伝子であるAPOE、CLUなどはアストロサイトで高発現することが知られているが、ADの病態メカニズムにおけるアストロサイトの役割は十分に解明されていない。本研究課題では、アミロイドモデルとタウモデルマウスを用いて、アストロサイトの形態学的複雑性を規定する遺伝子ネットワークを解析し、候補遺伝子を標的とする方法またはDREADD法によるアストロサイトのGi-GPCRシグナル活性化により、アストロサイトの形態複雑性の低下を抑制することによりADの新たな治療標的となるかどうかを検証する。

研究実績の概要

アルツハイマー病(AD)は加齢依存性に発症する認知症の代表的な原因疾患であるが、病態を抑止する治療法は開発されていない。老人斑の周囲に集簇するアストロサイトはGFAPを高発現し活性化状態となり、ADのリスク遺伝子であるAPOE、CLUなどはアストロサイトで高発現することが知られているが、ADの病態メカニズムにおけるアストロサイトの役割は十分に解明されていない。申請者はアストロサイトの形態学的複雑性を規定する遺伝子群を発見し、その遺伝子群はADのモデルマウスや患者脳のアストロサイトで発現が低下し、さらにモデルマウスのアストロサイトの形態学的複雑性が減少していたことから、アストロサイトの形態学的複雑性の変化がADの病態に重要であることが明らかにした。本研究課題では、アストロサイトの形態学的複雑性を規定する遺伝子の過剰発現またはDREADD法によるアストロサイトのGi-GPCRシグナル活性化により、アストロサイトの形態複雑性の低下を抑制することがADの新たな治療標的となるかどうかを検証することを目的とする。今年度は、APP/PS1マウスにPHP.eBウィルスを投与し、全能でアストロサイト特異的にhM4D受容体を過剰発現させ、DCZによりアストロサイト特異的にGi-GPCRシグナルの活性化させると、アストロサイトの領域サイズの低下の抑制を伴って、マウスの認知機能低下が改善することを見出した。興味深いことに、このようなマウスでは免疫組織染色でアストロサイトの活性化マーカーであるGFAPの発現やAβプラークの蓄積には変化を認めなかった。これらの結果は、アストロサイトのGi-GPCRシグナルの活性化がADの治療標的となる可能性を示唆する有望な結果であると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では、今年度にタウ病理を再現するrTg4510マウスのアストロサイトの形態複雑性の解析とアストロサイトの遺伝子発現解析を行う予定であったが、実験に用いるマウスとAAVの準備のため、予定よりも実施が遅れている状況である。一方で、APP/PS1マウスのアストロサイトのGi-GPCRシグナルの活性化の実験で有望な結果が得られており、今年度は、この実験計画を前倒ししてて行った。したがって、全体としての研究の進捗はやや遅れている状況と判断している。

今後の研究の推進方策

次年度以降では、rTg4510マウスのアストロサイトの形態解析を行う。次に、rTg4510マウスのアストロサイトのトランスクリプトーム解析を実施し、APP/PS1マウスとrTg4510マウスのアストロサイトにおいて共通して発現が低下または上昇する遺伝子と申請者が見出したアストロサイトの形態複雑性関連遺伝子を比較し、有望な治療標的を見出す予定である。APP/PS1マウスのアストロサイトのGi-GPCRシグナルの活性化の実験について、アストロサイトの領域サイズの低下の抑制やマウスの認知機能低下の改善の分子メカニズムの解明を目指し、大脳皮質や海馬を用いてRNAシーケンスによる網羅的遺伝子発現解析を実施する予定である。また、国内外の学会に参加し、積極的に研究発表したいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Molecular basis of astrocyte diversity and morphology and its relation to Alzheimer’s disease2023

    • 著者名/発表者名
      Fumito Endo, Atsushi Kasai, Hitoshi Hashimoto, Viviana Gradinaru, Riki Kawaguchi, Baljit S. Khakh
    • 学会等名
      第46回日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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