研究課題/領域番号 |
23K06967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
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研究分担者 |
村岡 賢 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 研究員 (50582681)
齋藤 太郎 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60718063)
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80336403)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | エクソソーム / ミクログリア / 多発性硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性硬化症(MS)において近年、炎症だけではなく神経変性も病態に関与することが分かりつつある。しかし、MSにおける神経変性の機序は未だ解明されていない。申請者はMS患者の脳脊髄液を用いてエクソソーム(Exo)のプロテオーム解析を行い、アルツハイマー病の神経変性に関わる疾患関連ミクログリア(DAM)のマーカータンパク質が増加することを見出した。DAMとDAMが産生するExoはMSの神経変性に関与する可能性がある。本研究では、DAM欠損マウスとExo産生抑制マウスを作成し、実験的自己免疫性脳脊髄炎を誘導した際の神経変性を評価する。そして、DAMとDAMが産生するExoがMSの神経変性に対する治療標的となるか明らかにする。
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研究実績の概要 |
ミクログリア由来のエクソソームの機能を検証するため、ミクログリア由来エクソソームを可視化したマウスモデルの作成を試みた。 ミクログリア特異的にCreERを発現するCx3Cr1-CreERマウスと、Cre誘導性にヒトCD9-GFPを発現する、hCD9-GFPマウスを交配し、ミクログリア特異的にタモキシフェン投与でhCD9-GFPの発現が誘導されるCx3Cr1-CreER/hCD9-GFPマウスを作成した。同マウスに対してタモキシフェンを投与し、CreERの核内移行を誘導すると、投与1週間後および2週間後にミクログリアでのGFP発現が確認された。 一方で、ミクログリアでのGFP発現は4週間後には低下し、GFP陰性のミクログリアの割合が増加した。hCD9-GFPの強制発現によりミクログリアの細胞死が誘導された可能性が示唆された。 GFPの発現はミクログリア特異的であるが、一部細胞外にも蛍光が確認できるため、GFP抗体での検証と他の細胞種との重複について、神経細胞、アストロサイト、血管内皮を中心に検証を進めている。 現在、適切なタモキシフェンの投与量とスケジュール、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の誘導のタイミングについて検討を行っている。検証の2週間前にタモキシフェンと投与する予定である。 また、EAEを誘導後2ヶ月間の経過を確認し、寛解後に運動症状が再増悪する慢性EAEが再現性を持って誘導できることを確認した。また、慢性EAEではY字迷路を用いた認知機能検査にて障害を示すことを確認した。今後は急性期および慢性期のEAEでのミクログリア由来エクソソームを分離し、その性状を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Cx3Cr1-CreER/hCD9-GFPマウスの交配にて、目的とするマウスの生まれる率が低く十分なマウスを確保するのに予定よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
目的のマウスが作成されたため、引き続き検証を継続することが可能である
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