研究課題/領域番号 |
23K06968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
田中 健一 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50722881)
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研究分担者 |
土井 宏 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10326035)
田中 章景 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30378012)
窪田 瞬 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (60891851)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / UBQLN2 / シャペロン |
研究開始時の研究の概要 |
UBQLN2は家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の責任遺伝子として同定され、ユビキチン-プロテアソームシステムなど細胞機能に関わるが、UBQLN2バリアントがALS発症に関わる病態機序には不明な点が多い。我々は野生型、バリアント型UBQLN2で結合性が変化するタンパク質を、質量分析装置を用いて網羅的・定量的に解析した。その結果、FALSを来すバリアント型UBQLN2で結合が低下するタンパク質として、熱ショックタンパク質を同定した。本研究では、熱ショックタンパク質・UBQLN2複合体が変性タンパク質を処理する過程でどのような機序で制御されているのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
Recombinantタンパク質を用いた、in vitroの解析系において、野生型またはバリアント型UBQLN2存在下でHSC70やHSPA1へのBAG2の結合量を測定することにより、結合への UBQLN2の影響を調べた。また、培養細胞に野生型またはバリアント型UBQLN2を過剰発現した状態で、HSC70やHSPA1とBAG2の結合を比較した。Recombinantタンパク質を用いたin vitroの解析系において、変性ルシフェラーゼを基質としたHSC70やHSPA1のrefolding活性に対して、野生型またはバリアント型UBQLN2がどのような影響を与えるかの解析も行った。 さらに、UBQLN2の機能喪失仮説の検証のため、siRNAによりUbqln2をノックダウンしたNeuro2a細胞のプロテオーム解析を行い、変化のあったタンパク質を新たなUBQLN2の基質として同定することを目的とした。ショットガン解析およびリン酸化ペプチド解析を行った結果、ユビキチン・プロテアソーム系、ER-Golgi小胞輸送に関連した蛋白質が同定され、これまでに報告されていたUBQLN2の機能に関連した蛋白質として矛盾のない結果であった。また、これまでに報告のない機能と関連した蛋白質としては、エクソソームやエンドサイトーシスに関連した蛋白質が同定された。今後、これらの蛋白質のUbqln2への関わりを調べることで、ALSにおけるUBQLN2病態を解明する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞におけるUbqln2ノックダウンの結果、変化が見られたタンパク質について、Ubqln2ノックダウン培養細胞系に野生型またはバリアント型Ubqln2を発現させ、タンパク質の量のレスキュー効果に違いがあるかどうか検証を行うことができる。また、ヒト病理組織および申請者が作成したUbqln2-KOマウスの脳組織切片において発現・局在変化を検討することができる。
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今後の研究の推進方策 |
ALS剖検組織におけるUBQLN2やHSC70、HSPA1の免疫染色はこれまでに行われてきた。しかし、HSC70、HSPA1は細胞内に大量に発現しておりHSC70、HSPA1単独の免疫染色を行っても、局在変化を検出することは困難である。本研究では、UBQLN2、HSC70、HSPA1単独の解析ではなく、UBQLN2-HSC70複合体およびUBQLN2-HSPA1複合体の解析を行うために、UBQLN2-HSC70複合体やUBQLN2-HSPA1複合体に特異的なモノクローナル抗体を作成する。
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