研究課題/領域番号 |
23K07009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
本田 秀夫 信州大学, 医学部, 教授(特定雇用) (20521298)
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研究分担者 |
篠山 大明 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90447764)
大園 啓子 東海大学, 医学部, 助教 (20407985)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 転帰 / 成人期 / 発生率調査 / 出生コホート |
研究開始時の研究の概要 |
われわれは、横浜市港北区における1988年から1996年までの出生コホート31,426 名を対象としたASDの累積発生率調査(Honda et al, 2005)で悉皆的に把握されたASD の症例278 名のうち、170名(61.2%)について長期追跡調査を行っている(Iwasa et al, 2022)。本研究では、この170名に関する詳細な分析を行う(調査1)とともに、新たに2010年代に同じ地域で出生したコホートにおいてASDの累積発生率調査を行い、20年の間隔を空けた2つのASD出生コホートの比較検討を行う(調査2)。
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研究実績の概要 |
調査1:Y-LABiCのデータの精査 われわれは、横浜市港北区で出生した自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder; ASD)の子どもたちを長期追跡するためのコホートを構築し、これに「Yokohama - Longitudinal Autism Birth Cohort(Y-LABiC)」の呼称を付けている。調査1では、乳幼児期から成人期に至る発達について詳細な検討を行っている。今年度は、ASDの子どもたちの一部で1~2歳でみられることのある「折れ線現象」と転帰との関連について検討した。対象となった168名が、折れ線現象を示したケースとそれ以外のケースの2群に分けられることが確認できた。
調査2:2010年代に出生したASDの子どもの悉皆調査 2010年代に出生したASDの子どもの悉皆調査として、2012年4月2日から2014年4月1日生まれの2年度分のデータを収集し、このコホートを「Y-LABiC2」とすることとし、カルテ調査を進めている。「Y-LABiC」と比較検討するに当たり、「Y-LABiC2」の子どもたちは、就学後の受診頻度が低いケースが多く、カルテ情報だけでは学齢期の情報を十分に得ることが難しいことが分かった。このため、「Y-LABiC2」の子どもたちが中学1年生の時点で、郵送による調査を行う予定である。2012年度生まれの子どもたちが中学生になる2025年度から調査を開始できるよう、現在、準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査1では、折れ線現象を示した子どもをデータベースから抽出し、折れ線現象を示していない子どもとの2群による比較研究のデザインで信州大学医学部倫理委員会の承認を得たところである。
調査2も計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
調査1については、折れ線現象の有無と転帰との関連についての検討の他に、知的障害を伴わないASDの人たちに絞って成人期の経済的自立に関する転帰調査を行う。さらに、QOLに関連した転帰指標を抽出していく計画を立てている。
調査2については、引き続きカルテ調査を進めていく予定である。
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